日本子宮内膜症協会【JEMA】
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アクション!内膜症に1相性低用量ピル



JEMAは21世紀初頭の重点活動として、内膜症に低用量ピルをもっと使いやすくすべく、「アクション!内膜症に1相性低用量ピル」をうたい、厚生労働省、医薬品企業、産婦人科医学界、そして社会に、積極的に具体的に働きかけています。



08年6月20日、ノーベルファーマ(株)より、「ルナベルの薬価について」という回答書が届いています。(2008年6月25日)

 6月5日の中医協総会でルナベルの薬価が発表されてから、質問書を出すことは申し入れてあるので、回答書は前もって用意してあり、JEMAの質問書を送付した20日(金)に送られてきました。
  回答書内にある、「研究開発費として約30億円、製造設備の新設に約20万円が費やされました。」という部分の、30億円について、大枠で何費と何費がいくらか教えてほしいと再度問い合わせましたが、企業秘密とのことで、断られました。

  以下、2ページの回答書(1~9)の重要部分の抜粋です。

    ルナベルの薬価について    ノーベルファーマ株式会社 社長 塩村 仁

1.当社の存在目的(コンセプト)は、「患者さんや医療現場より強い要望があるが、他社が開発しない、しかし患者さんにとり無くてはならない医薬品を開発すること」です。

6.ルナベルは、患者さんの要望に基づき開発を決意した医薬品です。
世界初のプラセボ対照二重盲検試験(この結果は、国際的学会誌に掲載)を含む幾多の困難な治験実施と、当局による厳格な審査を経て、わが国で初めて子宮内膜症に伴う月経困難症について正式に国より認可されました。
このための研究開発費として約 30億円、製造設備(富士製薬工業社)の新設に約 20億円が費やされました。

8.目的が達成されたら、その結果として、投資を早期に回収し、利益の最大化を図ることが、株主、従業員に対する会社の義務です。
薬価をいくらにすれば利益の最大化ができるか、患者さんからすれば、安ければ安いほど嬉しいだろう、しかしそれでは会社の利益が最大化されないし、避妊用に使う目的で子宮内膜症と偽って使うケースも多くなるかもしれない。

9.患者さんに知っていただきたいことですが、保険薬として認められることは、薬剤費の経済的メリットだけではありません。

1)まず、避妊用低用量ピルと「ルナベル」は、全く別の医薬品です。「効能・効果」が異なります。成分・分量が同じ、或いは似ていても異なる価格となることは、世にいくらでもあり、何ら不思議ではありません。それは、中に詰まっているソフト(情報の量と質)が異なるからです。
ルナベルは、国が子宮内膜症に使って良いと認可した医薬品であり、安心感があります。しかし、医薬品ですから、使った患者さんの誰かに副作用が発生することは避けられません。ルナベルであれば、効能・効果が子宮内膜症に伴う月経困難症ですから、万が一重い副作用が発生した場合でもその患者さんは、「医薬品副作用被害救済制度」という国の制度で補償を受けることが可能です。
しかし、効能・効果以外の使用での副作用は、この制度の対象外です。避妊用の低用量ピルを効能・効果外の子宮内膜症治療に使うことは、例えて言えば、自賠責保険のかかっていない車を運転するようなもので、万が一事故に遇ったとき国の制度による補償を受けることができません。

2)避妊用低用量ピルと「ルナベル」のもうひとつの大きな違いは、ルナベルが保険薬であることです。
わが国の保険制度では、ひとつの治療において自由診療(100%患者負担)と保険診療(30%患者負担)の混合は、禁止されています。つまり、保険薬でない避妊用低用量ピルを自由診療で子宮内膜症治療に使うと子宮内膜症治療のための検査代や技術料、再診料等々全ての医療費も自由診療となり、全額患者負担とするのが保険のルールです。
このときに薬剤費だけ自由診療扱いで100%患者負担とし、残りの医療費を保険扱いにして30%だけ患者負担とする行為は、混合診療といわれ、ルール違反です。
「ルナベル」による子宮内膜症治療であれば、全ての医療費を保険扱いとし、全医療費の30%を患者負担とすることができます。


PDF形式の回答書2ページを読む



08年6月20日、ノーベルファーマ(株)に対し、「ルナベル配合錠の薬価(1シート6990.9円)に関する質問書」を送付しました。(2008年6月21日)

ルナベル配合錠の薬価(1シート6990.9円)に関する質問書

6月13日に、ルナベル配合錠(適用:子宮内膜症に伴う月経困難症、成分名:ノルエチステロン・エチニルエストラジオール、薬効区分:混合ホルモン剤)が薬価収載となり、1錠332.9円と発表され、1シート(21錠)は6990.9円、3割自己負担額は2097円となりました。

一般的な患者意識としては、1999年6月承認以来、今日も愛用している経口避妊薬オーソM21の自由診療価格(06年JEMAデータでは低用量ピル1シート平均2780円)と同程度の薬価がつき、その3割負担になるという予想が最多層と思われます。

実際、IKH-01(ルナベルの治験記号)に関する近年のメールや掲示板、手紙やFAXなどでは、あと1~2年で保険適用になれば、年中服用する経済的負担が楽になるという内容が圧倒的でした。

しかし、2週間処方が外れて超特例で30日処方になったのは大変よかったものの、1年間は1シートごとの受診が必要となり、そのつど再診料や調剤料等がかかることから、経済的負担が軽くならないケースも出てきます。


よって、なぜ同成分・同配合比の低用量ピルが、自由診療から臨床試験を経て保険診療になると、価格が2.5倍に跳ね上がるのか(ルナベル薬価6991円÷06年ピル自由診療平均価格2780円=2.5)、その背景理由を、一般患者が理解できるよう、項目をあげて説明して下さい。


PDF形式の質問書2ページを読む



6月13日、本邦初の治療用低用量ピル、「ルナベル配合錠」が薬価収載され、内膜症の保険適用薬になりました!!!
さらに、新薬は1年間は2週間処方しかできませんが、超特例措置(前例はHIV治療薬だけらしい)で30日間となりました(1年後からそれ以上でもよい)。(2008年6月21日)


ルナベル 薬価収載(保険適用)!!!

99年に念願の低用量ピルが導入されたものの、内膜症での使用がさほど伸びず(GnRHアゴニスト乱用の改善がにぶい)、保険適用の道しかないと判断し、02年12月の最初の要望書から8回も厚労省で陳情・交渉・懇談した結果、ようやく低用量ピルを内膜症の保険適用にし、2週間の投与期間制限も除外できました。
世界に遅れること30数年、やっと世界標準医療である、内膜症の薬物治療の第1選択薬としての低用量ピル処方が、1剤ですが公式に始まります。

しかし、薬価要望はかなわず予想以上に高くなり、1シート6990円(診療報酬計算では6930円になるらしい)、3割自己負担額は2097円(診療報酬計算では実際の支払いは2080円)です。
次回薬価改定(ほとんどの薬が値下げされる)は2年後の春です。
今後1年間は、30日ごとに(結局は1シートごとに)再診料や調剤料等の支払いがあるので、オーソM21の数シートまとめ処方の入手価格によっては、ルナベルのほうが高くつく人もいるでしょう。
オーソM21とルナベルは成分もその配合比も全く同じ低用量ピルですから、どちらを使っても構わないと考えます。

問題は、正しい使用法でも重篤な副作用が起こった場合に、ルナベルは国の副作用被害救済制度で給付等が受けられますが、オーソM21ほか経口避妊薬の適用しかない低用量ピルや個人輸入製品は救済対象にならないということです。

ルナベルの供給開始は7月8日の予定です。



08年4月16日、治療用低用量ピルの「ルナベル配合錠」(治験記号:IKH-01)が厚労省に承認されました!!!
適応は「子宮内膜症に伴う月経困難症」で、避妊の適応はありません。(2008年4月20日)


ルナベル 承認取得!!!

今後60日以内(6月中旬まで)に薬価が決まり、その後まもなく保険適用で使えるようになります。
薬価についてJEMAが厚労省に最終的に出した要望書は、一つ下のトピックで読めます。

1錠中の成分は、エチニルエストラジオール(EE)が0.035㎎、ノルエチステロン(NET)が1mgで、オーソM21型の1相性低用量ピルとなっています。

ルナベルの開発製造責任はノーベルファーマですが、販売部門はなく、日本新薬と富士製薬が病院・診療所に販売します。
ノーベルファーマは03年起業のバイオベンチャーで、最初の着手品がこのIKH-01ですから、今でも収益はほとんどなく、この5年で20~30億円ほどを投資しながらルナベルの開発をしてくれました。

さて、JEMAが、世界では薬物治療の第一選択は低用量ピルと知ったのは98年半ばで、すぐ動き始めましたから、内膜症のピル治療実現に日本は10年かかったわけです。
しかし、オーソM21(第一世代低用量ピルの代表選手)が世界で発売されたのは1974年ですから、低用量ピルを何の支障もなく内膜症治療に使うという意味では、世界に34年も遅れたということです。
そのせいで、日本の内膜症女性は(とくに90年代に薬物治療を受けた人々)、まぎれもなく世界一、GnRHアゴニストによる健康被害を負わされた女性たちと明言できます。

21世紀になって、自費による低用量ピル治療が年々普及しており(06年データでは低用量ピル経験者は47%となり、01年データの2.8倍)、薬物治療でかえって苦しむ内膜症女性は確実に減少傾向ですが、今回の承認により、ルナベル治療が一気に普及していくはずなので、日本の内膜症女性の健康度もやっと改善していくでしょう。
なお、GnRHアゴニストの健康被害は、厚労省に要望書を出しているうつ・自殺系問題だけでなく、多岐に渡るわけですが、何らかの体感副作用が少ない人でも、骨・血管・脳機能等の老化は確実に起こっています(最近の天皇の骨粗鬆症危険の報道は、GnRHアゴニストを前立腺がん術後治療で使っている副作用)。

今日の電話相談でも、「日本と、たぶん北朝鮮以外は、ずーーっと昔から、内膜症といえば当たり前に低用量ピルを使うんですが・・・」、という哀しい定番説明を使いましたが、今夏以降は言わなくてもいいようになる、と信じています。

最後に、とくに20世紀から内膜症と戦ってきたみなさんに、これまで本当にお疲れ様でしたと申し上げたいと思います。

2008年4月16日                               日本子宮内膜症協会



■08年4月11日、厚労省保険局医療課に要望書第8段「IKH-01(ルナベル)の薬価等に関する要望書」を提出し、懇談してきました。(2008年04月20日)

IKH-01(ルナベル)の薬価等に関する要望書

1.IKH-01(ルナベル)は新薬としての2週間処方は外して頂きたい。
2.IKH-01(ルナベル)の薬価は、一般的な慢性疾患と同程度、かつ、08年3月の世界子宮内膜症学会で提唱された、「若年診断時から閉経までのevidence-based and cost-effcient care の総コストの減少を考慮し た医療」にのっとり、ピル治療における世界の標準的価格でありたい。


(略)以上から、IKH-01(ルナベル)の薬価は、1シート21錠で2100円~5250円、1日1錠の薬価は100円~250円あたりで検討して頂きますよう、強く要望致します。


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「ESHREによる子宮内膜症の診断・治療ガイドライン」の2007改訂版を翻訳しました(2008年2月27日)


■07年11月19日、厚労省とノーベルファーマに要望書第7弾、「IKH-01添付文書案の再考に関する要望書」を提出し、懇談しました。(2007年11月28日)

IKH-01添付文書案の再考に関する要望書

IKH-01の添付文書案は、1999年当時の旧ピルガイドラインに準拠した現オーソM21添付文書に沿った内容のため、2006年2月発表の新ピルガイドラインに添った検討を要望します。


PDF形式の要望書4ページを読む




■07年10月29日、厚労省に要望書第6弾、「IKH-01に関する3点と、GnRHアゴニスト類のうつ・自殺系問題の要望書」を提出し、1時間の懇談をしてきました。(2007年11月12日)

IKH-01に関する3点と、GnRHアゴニスト類のうつ・自殺系問題の要望書

1.IKH-01の企業申請から1年たちましたが、承認はまだでしょうか?
2.IKH-01は新薬としての2週間処方は外して頂きたい。
3.IKH-01の薬価はどうなるでしょうか?
4.GnRHアゴニストの副作用(うつ、自殺企図・自殺念慮)の対処はどういう状況ですか?


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■2007年3月1日、厚労省医薬食品局に要望書第5弾「子宮内膜症治療薬GnRHアゴニスト類の副作用(うつ、自殺企図・自殺念慮)に関する要望書」を提出し、1時間余り懇談をしました。(2007年3月9日)

子宮内膜症治療薬GnRHアゴニスト類の副作用(うつ、自殺企図・自殺念慮)に関する要望書

  本年1月末に06年調査の集計表が上ってきたところ、 10年前、5年前と変わることなく、GnRHアゴニスト類(6種類)による副作用の「うつ」は、依然として3割もの高頻度でした(ピル類の7.6倍)。
  さらに、副作用のうつによる「自殺念慮(死にたいと思う)」が16%も発生(ピル類の11.2倍)、「自殺企図(死のうとした)」が2.1%も発生しており、やはり5年前と同等です。
  使用率は、確定と臨床の総合では01年より2割減少。確定だけなら半減~3分の1減少。ただしGnRHアゴニスト類全体では05年独仏米使用頻度のいまだ約2倍。
  現代の大きな社会問題であるうつや自殺に直結する、副作用によるうつとそれによる自殺企図・自殺念慮などの薬害性を、不作為による放置を避け、有効に改善しうる早急な諸対策をお願いするものです(02年末の第1回要望から述べている内容)。


PDF形式の要望書2ページを読む    PDF形式のデータ資料3ページを読む



■10月13日、厚労省と総合機構に要望書第4弾「IKH-01を優先審査適用とする要望書」を提出し、1時間の懇談をしました。(2006年10月17日)

1相性低用量ピル・IKH-01を、優先審査適用として下さい

ノーベルファーマが子宮内膜症に伴う月経困難症で承認申請するIKH-01は、平成16年2月27日に厚生労働省医薬食品局審査管理課長が発した『優先審査等の取扱いについて』の、優先審査に関する事項の、優先審査の適用の可否の考え方の、以下に該当すると考えます。
    (1)適応疾患の重篤性については、
      イ 病気の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患であること。
    (2)医療上の有用性については、
      イ 有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点から、医療上の有効性が既存の治療法、予防法若しくは診断法より優れていること。          
 
    とくに、2005年4月15日の厚生労働委員会における、水島広子議員の質問に対する尾辻大臣と阿曽沼医薬食品局長のご答弁を、お守り下さい。


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「1相性低用量ピルに子宮内膜症の保険適応の早期承認を求める要望書」(第3弾)(2006年3月7日)




1.1相性低用量ピル・IKH-01に、子宮内膜症に伴う月経困難症の適応を早急に承認して下さい。

2005年4月15日の厚生労働委員会における、水島広子議員の質問に対する尾辻大臣と阿曽沼医薬食品局長のご答弁どおり、迅速な承認審査と保険適用をお願い致します。

2.IKH-01の薬価には多方面からの検討が必要なため、早い取り組みをお願い致します。

GnRHアゴニストやダナゾールのような激高薬価では国と患者の財政は圧迫され続けます。いっぽう、低用量ピルを避妊で使う女性のなかの月経痛や過多月経の全くない人が患者になりたくなるような低薬価もよくありません。

3.日本にない低用量ピルや超低用量ピルの新規導入は以前の要望書からお願いしていることですが(2002年要望書の1番、2005年要望書の4番)、日本の子宮内膜症医療におけるピル事情は、今後IKH-01が薬価収載されても、2004年12月に発表された「いわゆる“混合診療”問題について」文書の、①国内未承認薬、に該当する状況のため、避妊適応だけでもよいので早急に検討して下さい。

厚生労働省と医薬品医療機器総合機構に基本的に認識して頂きたいことは、すべての経口避妊薬(エストロゲン剤とプロゲステロン剤の合剤、プロゲステロン単剤)と、避妊用具に性ステロイド剤をしみこませたものは(プロゲステロン剤のみ、エストロゲン剤とプロゲステロン剤の両方)、すべて子宮内膜症の薬物治療で使う対象となる、という世界の医療の常識です。例えば、まもなく日本で承認されると聞いている避妊用具のミレーナ(LNG-IUS:プロゲステロン剤のレボノルゲストレルをしみ込ませてある:シエーリング社)は、第8回世界子宮内膜症学会(2002年2月)の臨床研究部門で唯一受賞した発表で、後述のESHREのガイドラインでも解説されています。

子宮内膜症は10代後半から50歳前後まで、10年~30年超もつきあう長期慢性疼痛疾患のため、世界標準治療では5年10年単位のピルによる長期治療が一般的です。そこで、副作用を避けながら長期治療を可能にするのが、多彩な種類のピルが存在することですが(ピルはエストロゲン剤の量やプロゲステロン剤のタイプによって相当に作用・副作用が違う)、日本は極めて種類が少なく(IKH-01はオーソM21と同タイプ)、不安定な個人輸入に頼る現実があります。


子宮内膜症は病気ですから、この現実は解消して頂きたいわけです。とくに、重症の子宮内膜症にはプロゲステロン作用とアンドロゲン作用の強いピルが良いとされ、40代過ぎから50歳前後まではエストロゲン剤の量が半減近い超低用量ピルが推奨されますが、どちらの種類も世界中にはあっても日本にだけありません。
また、ピルは不妊疾患(代表選手が子宮内膜症)を予防すると明言される薬ですから、10代後半からピルを使うことで、子宮内膜症の重症率が減少し、不妊率も減少することで、少子化に貢献するでしょう。この10代後半も40代同様、より軽いピルが必要です。


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ESHREによる子宮内膜症の診断・治療ガイドラインの翻訳をアップしました(2006年3月6日)

新コーナー「EBMに基づく診療ガイドライン」を設け、2006年春、世界で最新・最良の子宮内膜症のガイドラインをアップしました。ESHREとは欧州全体の不妊学会のようなもので、WES(世界子宮内膜症学会)もこのガイドラインを推奨しています。このガイドラインには、20世紀から当たり前のことですが、低用量ピルもGnRHアゴニストもダナゾールもどれも治療効果は同じで、副作用と価格が違う(GnRHアゴニストやダナゾールが副作用が多種多彩に多く価格も高額ということ)、と書いてあります。



第50回不妊学会のシンポジウムで「内膜症とピル治療」が開花(2005年11月18日)
シンポジウムのテーマ「子宮内膜症に伴う月経困難症に対する治療戦略」
座長(東大の武谷教授、近大の星合教授)、特別講演(鳥取大の寺川教授)

本シンポジウムでは、世界に誇れる画期的な研究発表、IKH-01の第3相予備試験の好成績の発表、世界のEBMやガイドラインの紹介などがあり、内膜症に低用量ピルが良いことがこの日本で証明されつつあることの喜びが溢れていました(内膜症にピルが良いこと、治療の第一選択薬であることは、30年以上前から日本以外の世界の常識で、世界ではあえてデータを出す必要もなく普通に処方されているが、日本ではなかなか広がらない現実がある)。

とくに、札幌医大の藤井美穂医師の研究発表は世界初です。

1相性低用量ピルを1年超使用した患者3人の使用前後の腹腔鏡手術映像(使用後は細径腹腔鏡)で、腹膜病変の消失・緩和を証明しました。活動性の高そうな腹膜病変が、見事に消失あるいは縮小していました。こういう証明は、過去に黄体ホルモン剤やGnRHアゴニストやダナゾールなどでもあるでしょうが、低用量ピルでは初めてでしょう。

さらに藤井氏は、内膜症患者で低用量ピル使用者と非使用者の腹水を比較し、腹水の有無(使用者で腹水有は40%、非使用者では84.1%)や使用者のCA-125の明らかな減少を示しました。また、5人の患者で内膜症関連サイトカイン類(IL-6、IL-8)を調べると、有意に減少していました(1人だけIL-6が不変でIL-8が増加した患者は副作用で低用量ピルを2週間でやめた人)。

IKH-01(オーソM21と同タイプ)の第3相予備試験結果(オーソM21とオーソ777の比較試験)は1つ下の記事の2005年3月に提出した要望書内にも書いてありますが、鳥取大の原田省医師から、月経困難症は両方とも有意に改善、月経時以外の下腹部痛はオーソM21だけが有意に改善、チョコは両方とも有意に縮小、CA-125も両方とも有意に減少、などを発表しました。

また、『子宮内膜症取扱い規約第2部診療編・治療編第1版』作成委員長の高知大の深谷教授が、IKH-01の治験結果が出れば(2006年秋の予定)、取扱い規約のピルの扱いを改善すると明言されました(第2版を出すということ)。




■JEMAの陳情(2度目です)を受けて、4月15日の厚生労働委員会で、水島広子議員(民主党・厚生労働委員)が質問をした内容と、それに対し、厚労省医薬食品局長の阿曽沼氏と大臣の尾辻氏が回答した部分が、以下です。

衆議院ホームーページの、会議録の、厚生労働委員会の、トップに、2005年4月28日にアップされました。


2005年4月15日の衆議院厚生労働委員会の質疑応答 水島広子議員を読む


■「1相性低用量ピルに子宮内膜症の保険適応の早期承認を求める要望書」を厚生労働省に提出 [2005年3月7日]


  1. 1相性低用量ピル・IHK-01に、子宮内膜症に伴う月経困難症の適応を早急に承認して下さい。
  2. 1相性低用量ピル・IHK-01が承認されるまでの期間、自由診療による患者の高額な医療費負担がこれ以上発生しないよう、早急に対策をとって下さい。
  3. 子宮内膜症の保険適応を与えるピルの薬価は、欧米諸国を参考にした適切な価格にして下さい。そのさい、GnHRアゴニストやダナゾールのような慢性疾患ではありえない異常な高額(1日の薬価:1千円~2千円)はもちろん避けると同時に、中用量ピルのような安価(1日の薬価:14円)も避けてください。これほどの安価では新たな1相性低用量ピルの子宮内膜症・保険適用や4に関して諸企業の開発意欲は全く起こらず、現在の若年患者や少女や生まれてくる少女たちの健康支援がさらに世界から遅れます。
  4. 日本以外の世界中でごく普通に処方されている超低用量ピル(エチニルエストラジオール:20μg)の新規導入をはかって下さい(避妊適応だけでもよいから)。

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     PDF形式の要望書7ページ(actyobo.pdf)を読む


■JEMAの厚労省要望書に関わって、日本産婦人科医会は、03年2月~4月に全国の定点モニター病院約1000施設にアンケートをとり、ピル全体の使用状況や内膜症治療としての状況を把握したそうです。



■JEMAの厚労省要望書に某ベンチャー企業がこたえてくれて、1相性低用量ピル(オーソM21と同タイプ)を内膜症に保険適用できるよう、2003年初春より臨床試験(治験)企画が始まりました。

  • JEMAは可能な範囲でこの臨床試験企画に協力しています。
  • また、他のピル企業さんたちにも、1相性低用量ピルの新規導入(とくに超低用量ピル)や治療薬としての臨床試験企画を働きかけています。


■「子宮内膜症の薬物治療に関する要望書」を厚生労働省に提出 [2002年12月18日]


  1. 子宮内膜症及び子宮内膜症の疑いにおける薬物治療に必須の、1相性低用量ピルの製造・輸入の新規導入。                                                       ※なお、日本以外の世界では10~30年以上も使用されている薬剤ばかりなので,臨床試験や審査は簡便にできますよう。
  2. 1で新しく製造・輸入する1相性ピルには、子宮内膜症あるいは月経困難症の保険適用を与える。
  3. 現在日本にある低用量ピルに,子宮内膜症あるいは月経困難症の保険適用を与える。
  4. 臨床診断(手術による確定診断ではない推測診断で日本独自の概念。専門医は3割は誤診と言う)で、大半がげきやくのGnRHアゴニスト剤(リュープリン、ゾラテックス、ナサニール、スプレキュア、イトレリン)やダナゾール剤(ボンゾールほか)を繰り返し使用し、女性たちの内膜症なりの健康をさらに悪化させ、QOLを低迷させる、世界随一の過剰高額医療について、医療界に対し改善指導をする。すなわち、世界の標準治療方針にならって、主として低用量ピルを使用するようにするにと。

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