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2005年4月15日の衆議院厚生労働委員会の質疑応答 水島広子議員(民主党・厚生労働委員)


JEMAでは、2005年3月7日に厚労省と医薬品医療機器総合機構に要望書第二段「1相性低用量ピルに子宮内膜症の保険適応の早期承認を求める要望書」を提出しました。
翌、3月8日は、衆議院議員会館の水島広子議員(民主党・厚生労働委員)に陳情致しました。

JEMAの陳情(2度目です)を受けて、4月15日の厚生労働委員会で、水島広子議員が質問をした内容と、それに対し、厚労省医薬食品局長の阿曽沼氏と大臣の尾辻氏が回答した部分が、以下です。

衆議院ホームーページの、会議録の、厚生労働委員会の、トップに、2005年4月28日にアップされています。


○水島委員 ありがとうございます。
 いつまでにというのを詰めないと多分怒られると思うんですけれども、きょうは金曜日で、来週の審議が多分水曜日ですので、多分このくらいの仕事でしたら水曜日までにできると思いますから、水曜日の審議までに、日本語で、少なくとも質問する議員が読めるようにきちんと翻訳をしていただけますように、よろしくお願い申し上げます。
 私も、何かこんなふうに、厚労省から資料をいただくたびに自分で別のデータベースをあさって、本当にこれが正しいかなんというのを一々チェックするのは本当に疲れますので、これから、厚労省からいただいたものは一〇〇%正しいんだと思えるようなデータの出し方をしていただけますように、よろしくお願いいたします。

 さて、このエビデンスについての議論を聞いていまして思い出したことがございます。これは介護保険とは直接関係のないように聞こえるかもしれませんけれども、女性の高齢期の健康にも重要な関係のあることなので、ここで一つ質問させていただきたいと思います。

 以前から、日本子宮内膜症協会の方たちが子宮内膜症に低用量ピルを保険適用してほしいという要望を出されています。この三月七日にも厚生労働大臣あてに要望書が出されたばかりです。この要望書の中に「低用量ピルには十分なエビデンスがある」という項目がございます。そこを読ませていただきます。
 「以下の多くの証拠により、低用量ピルが子宮内膜症に伴う月経困難症の標準治療薬であることは、日本を除いた世界で長く周知された事実であると容易にわかります。 よって、これ以上のRCT」、これは無作為振り分け比較対照試験と訳すと思いますけれども、この「RCTを要求なさるのは、一九七〇年代という三十年近くも前から今日まで、世界で日本の子宮内膜症の女性だけが被ってきた”ピルを当たり前に使えない不幸”を延長させるだけでなく、患者の人権保護を重視したヘルシンキ宣言に触れるのではないでしょうか。」と書かれてあります。私も本当にそのとおりだと思っております。

 ここでエビデンスとして上げられているのは、欧米のガイドラインやそれに準ずるもの、論文としては、ファータリティー・アンド・ステーリリティーという有名な雑誌にUCLAの方たちが書かれたエキスパートコンセンサスが添付されています。また、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンという超一流雑誌、ここに論文が載ることはすべての医学者の一生の夢ではないかと思われる一流雑誌ですけれども、このニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに載りました子宮内膜症の治療についての総説も添付されております。
 また、やはりファータリティー・アンド・ステーリリティーの論文ですけれども、子宮内膜症に対するRCTを報告したものも添付されていますし、その他、有名な医学教科書であるセシル、またイギリスやアメリカの処方解説書なども添付されていますけれども、いずれを見ましても、一九七〇年代から経口避妊薬は子宮内膜症の薬物療法で用いられるようになり、近年では低用量ピルが子宮内膜症の薬物治療の第一選択であるということを示していると思います。

 産婦人科医の中には、保険適用のない薬を処方されることを嫌い、ピルを希望しても保険適用のある中用量ピルを処方するというねじれ現象が起こっております。低用量ピルよりも中用量ピルの方が副作用が強いのは当たり前で、血栓リスクは四倍です。また、自治体病院の多くが保険適用がないことを理由に低用量ピルを置いておりません。ですから、自由診療で使いたいといっても、それが病院に置いていないということになっているわけです。

 重大な問題は何かというと、低用量ピルがなかった時代はもちろん、導入されても自由診療のためスムーズに処方されない現在に至っても、リュープリン、ナサニール、スプレキュアというGnRHアゴニストの使用量が世界で突出して高いということで、日本の内膜症の女性のQOLを低下させているということでございます。
 GnRHアゴニストは、脳下垂体に作用して性ホルモンを去勢状態にする薬ですので、エストロゲンもプロゲステロンも、更年期どころか閉経後の老年期レベルまで落とし込まれるために、骨量の減少、脂質代謝の悪化、認知機能の低下、不眠、うつ、脱毛、関節異常、甲状腺機能異常というような症状が進んでいくわけでございます。時には生殖機能が不可逆的なダメージを受けてしまい、無排卵になって性器萎縮にすら至る人がいます。つまり、これは閉経を早期にしてしまうということを意味しているわけです。
 このような特徴を持つ薬ですので、六カ月以上は使用しないようにということになっております。ですから、六カ月以上使えない薬というのは、そもそも子宮内膜症という慢性疾患に対して使うことが余り適さない薬なのではないかというふうに思っております。

 私自身が二〇〇二年六月五日に厚生労働委員会で坂口大臣に質問をしましたときには、「薬事全般にわたりますことにつきましては、」「それは今御指摘になりましたように、企業からそういう承認の申請があったからそれは認める、認めないということではなくて、この範囲のこういう薬については認めるということをやはり明確にしていくということも大事かなというふうに思いながら、私は今聞かせていただいた次第でございます。」と坂口大臣らしい答弁をされたわけです。
 その質問をしましたときには、こんな得にもならない薬に対して企業からの承認申請などないだろうから、厚生労働省にきちんとリードしていただかなければいけないというふうに思って質問させていただいたわけなんですけれども、その後、一つの会社が治験を始めたそうでございます。この質問がどうもきっかけになったようなんですけれども。
 そして、ことしの一月に開催されました第二十六回エンドメトリオーシス研究会、これは日本における子宮内膜症の学会に当たるものですけれども、ここにおきまして、東京大学の百枝幹雄先生たちが、低用量ピルのRCTのデータを発表され、子宮内膜症に伴う月経困難症に有意に効果があるだけではなく、チョコレート嚢胞を縮小する効果があるということも明らかにされたそうでございます。
 国際的なコンセンサスも踏まえ、このようなものこそエビデンスと呼ぶのだと思いますけれども、日本子宮内膜症協会の要望を厚生労働省としてどのように受けとめられているでしょうか。

○阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。
 御指摘のように、日本子宮内膜症協会の方から、三月七日に厚生労働大臣と医薬品医療機器総合機構の理事長あてに要望書が出されまして、私どもの厚生労働省の職員二名とそれから機構の職員二名とで意見交換をいたしました。
 それで、御要望の趣旨は、今御説明ございましたように、低用量ピルについて、子宮内膜症に伴う月経困難症について適用の早急な承認をしていただけないか、保険適用をできないかということでございますが、この問題につきましては、今お話がございましたように、国内で今開発をしている企業が一社ございまして、既に治験が進行しております。昨日確認いたしましたところ、かなり順調に治験が進行しているというふうに聞いておりまして、厚生労働省といたしましては、この薬ができるだけ早く、早期に開発できるように、今後また、独立法人の医薬品医療機器総合機構とも治験相談の活用などをいたしまして十分相談をいたしまして、適切に対応していきたいというふうに考えております。

○水島委員 当然、これだけの国際的なエビデンスがあるわけでございますので、申請されたときには優先審査扱いにしていただいて、欧米の低用量ピルを参考に、高過ぎず安過ぎない薬価で保険適用として、一刻も早く日本の子宮内膜症の女性たちが使えるようにしていただきたいと思いますけれども、この点はよろしいでしょうか。

○阿曽沼政府参考人 この薬につきまして承認の申請がなされた際には、臨床試験の成績などの提出データといいますものを有効性、安全性につきまして適切に審査いたしまして、承認された後につきましては速やかに保険適用をしていきたいというふうに考えております。

○水島委員 承認された後に保険適用というのは、むしろ当たり前のことなんですけれども。
 大臣、先ほどちょっと私早口で申し上げましたので、よく御理解いただけなかったかもしれないんですけれども、そのように、前からずっと外国では使われてきている低用量ピルという薬が、日本で保険適用されていないために日本の子宮内膜症の女性たちがその薬を使えない。
 その結果として、GnRHアゴニストという薬を使わなければならなくて、それが女性たちを早期に老化に追い込むような、ホルモン系の非常に強い副作用が出るような薬であって、日本に生まれた女性だからというだけの理由で、子宮内膜症の方たちが本来もっと楽に使える薬が使えていないという現状がかなり放置されておりますので、国際的なエビデンスを踏まえて、申請されましたときには本当に速やかにその審査に取りかかっていただきたいということを、ちょっと大臣からも一言、お約束いただけますでしょうか。

○尾辻国務大臣 かねて、薬の承認につきましてのいろいろな御要望というのはお聞きをいたしておりまして、スピードアップしなきゃいけないということはお答え申し上げておるところでありますから、そのように努めてまいります。


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