JEMA BLOG: 医療情報アーカイブ
ついに、2015年12月、ルナベル配合錠LD(JEMAが生み出したと言っても過言ではない内膜症で保険適用を持つOC)の、ジェネリック(後発医薬品)が登場しました。

フリウェル配合錠LD(持田製薬)

なんと、薬価はルナベル配合錠LDの半額です!!!

半額というのは大きいですよねえ!
経済的な問題がある人はとくに、こちらに替えるのをお勧めします。

注意してほしいのは、ルナベル配合錠ULD(超低用量タイプ)のジェネリックではないということ。
ルナベル配合錠ULD(エストロゲンが20マイクログラムの超低用量タイプ)を愛用している人だと、2倍近く用量が増えるので、安易に替えるわけにはいきませんよ。



2013年末から始まった血栓症不安に対し、日本産科婦人科学会が積極的に取り組み、2015年11月、ついに、『OC・LEPガイドライン 2015年度版』が発行されました。

最新のEBMやWHOのガイドラインに基づいた、非常ーーーに詳しいOC(ピル)とLEPの解説集でもあります。

下記で、誰でも購入できます(4000円もしますが)。

日本産科婦人科学会ホームページ
OC・LEPガイドライン刊行・頒布開始のお知らせ

なんと、このガイドライン冊子の巻頭言の最後には、日本産科婦人科学会理事長の小西郁生氏が、血栓症問題を受け、こう書いているのです。

「・・・・・わが国のこのような状況下で、若い女性にとって多くのメリットを有するOC・LEP製剤を、きちんとした説明を受け納得したうえで、正しく使用していただくことが改めて求められているわけです。その意味で、今回、このOC・LEPガイドラインの発刊はきわめて時宜を得たものであり、OC・LEP製剤の効用と有害事象がわかりやすく説明されており、医療者のみならずこの製剤を服用する女性の方々にもぜひ読んでいただきたいものとなりました。」

JEMAの思いとしては、まず、日本中のすべての産婦人科医に、ちゃーーーんと読んでもらいたいと思っておりますよ!


2015年春から、厚労省科学研究費で、東大産婦人科を中心に、希少部位(他臓器)子宮内膜症の診療ガイドライン作成研究が始まっています。

これは、2014年の晩秋からJEMAが始めた活動が実ったものです。

希少部位(他臓器)子宮内膜症は、下血なら消化器外科、血尿なら泌尿器科、気胸や喀血なら呼吸器科、へそなら皮膚科と、それぞれの科で診療が行われるため、ほとんど知識のないそういう科の医師らの診療状況は、産婦人科でいえば20世紀のような状況も多く、少数とはいえ、罹患女性たちはとても苦しい状況に置かれている場合が多いのです。

JEMAでは、すでに2004年1月から、ホームページ内の非公開掲示板「他臓器子宮内膜症 self help のお部屋」で、かなり具体的で積極的な医療情報サポートを行っていますが、100人規模の登録者にしか手は届きませんでした。

そこへ、2014年秋、すでに内膜症による気胸の患者団体(桔梗の会)ができていると知ったことから、JEMAとしてすぐ動き出し、その団体をはじめ、関係医療者や企業と多面的な交渉を展開した結果、東大産婦人科が中心となって、他科を交えて、「希少部位子宮内膜症の他科と連携した集学的な診療ガイドラインを作成する」、という研究が、厚労省科学研究として2015年春に認められ、3年間をめどに動き出したのです。

今秋の東大産婦人科との懇談で、うまくいかないようなら年内にJEMAに連絡するということでしたが(JEMAも厚労省にプッシュする)、いまだ連絡がないので、うまく動いていると思われます。

産婦人科が、他の科と連携した集学的診療ガイドラインを作るというのは、非常にまれなことですよ。

2年3か月ぶりのブログ再開です。

前記事、2013年9月30日以降、ピタッと何も書けなくなったのは、その年末から始まったOC(内膜症や月経痛の治療薬、あるいは経口避妊薬)による血栓症死亡報道をうけ、JEMAとしてなんと書いていいのか迷う日々が始まったからでした。

OC(ピル)についてある程度知っている人なら、大勢の服用者の中にはまれに血栓症になる人たちが出ること、その中で亡くなってしまう人たちもごく少数ながら出てしまうことは、OC(ピル)のA to Zの知識として、当たり前にわかっていたことです。

しかし、この時のヤーズ(バイエル社)の血栓症死亡報道で知ったのは、8月の女性が20代(月経痛治療、ニキビ治療、月経不順で使用、服用2日目に発症)、10月の女性はなんと10代(内膜症の月経痛治療で使用、服用1年半ごろに発症)だったというのだから、あまりの若年者に、もう大変なショックを受けてしまいました。

日本でもすでに血栓症は何十人か出ていて、30代の女性が亡くなっているということは、1~2年前にノーベルファーマ社(ルナベル開発企業)から簡単に聞いていました。
また、ヤーズ(超低用量タイプで世界ではYazという)と、Yasmin(日本にはないがヤーズの低用量タイプ)について、欧米では以前から血栓症が問題になり、とくにアメリカで大量の訴訟が起こっていることも知っていました。

それでも、世界中の人が読めるこのJEMAブログで、いったいなんと説明すればいいのか、ただただ迷うばかりだったのです。

といいつつ、実は、毎月2回発行し続けているまぐまぐの有料メールマガジン「JEMAネット通信(2004年3月発刊)」では、2013年11月1回目の記事からほぼ連続で、血栓症問題について情報提供し続けました。

それらを書くために調べたところ、以前は日本人は欧米人ほど血栓症は起こらないという定説だったのが、循環器の血栓症の基礎研究が進み、日本人の血栓症リスクは欧米人とさほど変わらないとわかってきた、ということです。


そして、迷う日々に追い打ちをかけたのが、2014年1月の厚労省発表でした。
ヤーズで3人目が亡くなったことから(40代、筋腫の月経痛治療で使用、1年すぎに発症)、「ヤーズに安全性速報(ブルーレター)」が出たのです。

そして、ヤーズとルナベルというLEP(レップ:低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬:日本だけの表現で内膜症や月経痛の治療薬としての保険適用を持つOCのこと)と、すべてのOC(ピル:経口避妊薬)の、添付文書が改訂されました。

ブルーレターってなんぞやと調べたところ、1年に1つ程度しか出ないキツイ通知で、迅速な注意喚起と対応をせよ、ということだそうな。
その上に数年に1つしか出ないイエローレター(回収命令)というのもあります。

この数日後に、毎年恒例の内膜症の学会(エンドメトリオーシス学会)が鹿児島でありましたが、学会中にこの大問題に関する話はさして出なかったので、懇親会で、JEMAとして、日本産科婦人科学会理事長に早急な対処を訴えました。

なお、血栓症による死亡者は、内膜症や月経痛の治療で保険適用のあるヤーズやルナベルだけでなく、自由診療の経口避妊薬であるマーベロンやオーソMなどにも出ています。


日本産科婦人科学会の関連情報

「低用量ピルの副作用について心配しておられる女性へ」

「月経困難症治療剤ヤーズ配合錠を服用される患者様とご家族の皆様へ」




このあとも、少々記事を書きますが、あわただしい年末ですので、項目列挙程度になります。

<(_ _)><(_ _)><(_ _)>
内膜症治療薬として愛用されているルナベルの超低用量タイプとして、「ルナベル配合錠ULD」が6月28日に厚労省から承認され、薬価はこれまでのルナベルと同価格で、先週9月26日(木)から処方が始まっています!

ルナベル配合錠ULD
  エストロゲン剤 エチニルエストラジオール(EE) 0.02㎎
  プロゲスチン剤 ノルエチステロン(NET) 1㎎
  保険適応名   月経困難症

実はこれまでのルナベルLDも、「内膜症の月経困難症」というしばりをやめて、保険適用名は「月経困難症」だけになっており、今回の超低用量も同じです。

ルナベルLD(Low Dose:ロー・ドーズ:低用量)EE:0.035㎎ NET:1㎎
ルナベルULD(Ultra Low Dose:ウルトラ・ロー・ドーズ:超低用量)EE:0.02㎎ NET:1㎎


これで、日本で使えるピルのうち、厚労省が月経困難症治療薬(もちろん内膜症治療もできる)として保険適用承認したものが、3品になりました。
ちなみにめんどくさいですが、日本だけなんだけど、この3品は公式にはピルではなく(実質的にピルですが)、低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬(LEP)なんぞと呼んだりします。

・ルナベルLD(2008年4月承認取得)・・・低用量タイプ
・ヤーズ(2010年9月承認取得)・・・・・・・超低用量タイプ
・ルナベルULD(2013年6月承認取得)・・超低用量タイプ

ただし、今回のルナベルULDは新薬扱いになってしまうので、今後1年間は30日分の処方しかできません。
実質的には21日分が1シートで、ふたつきパッケージになっているので、21日分(休薬する場合は28日分になる)ということになりますよね・・・
まさか、あのパッケージをはさみで切り取って、あと9日分をバラで手渡されるなんてこと、しないわよねえ・・・うーん、わからん・・・

今回処方が始まったルナベルULDはふたつきのパッケージタイプになっているわけですが、販売企業2社(日本新薬と富士製薬)が作ったパッケージのデザインが全く違っているので(色調は似てはいるけど)、なんか違う薬のように思う人が出てくるかもしれませんが、中身はまるで同じですよ。
なんだかつまらない大人の事情ですわな ┐('~`;)┌



* 28日未明、功罪の「功」を大幅に加筆、全体的に少し修正しました。


2月20日に放送された「ためしてガッテン さらば、あのツライ痛み! 260万人を襲う謎の病」は、子宮内膜症でした。
見逃した人や録画しそこなった人は、今日(26日)の午後4時5分から再放送です。

過去、これと同程度に長い番組は、2002年10月30日放送、フジテレビの「発掘! あるある大辞典」で(1時間番組だが正味45分ほどか)、2002年当時としては画期的な内容でした(2ヶ月前からJEMAに取材があり、医師の選定から内容にまでどっぷり協力)。

今回「ためしてガッテン」をご覧になった内膜症のみなさんは、どういう感想を持たれましたか?
また、親、夫や彼、兄弟姉妹、親族、友人、知人などから、どんなことを言われましたか?

といっても、それぞれが持っている内膜症の知識の程度によって、内膜症の女性本人でも感想は千差万別になりますね。
以下は、ネットをできるだけ回って収集したものとボランティアスタッフさんらの感想などを元に、脚色してみました。

「知ってることばかりで初級編ね」
「だから私はもう何年も不妊治療やってるわ」
「今の若い女子はピル治療が当たり前で幸せすぎる、私はGnRHアゴニストの後遺症とつきあう人生よ」
「私と同じ病気で苦しまないよう、高校生の娘にはちゃんとピルを飲ませてるわ」
「"子宮内膜ちゃん"はあの通りの良い子で働き者だけど、内膜症は"子宮内膜症細胞ちゃん"だから全然説明が違うじゃん、こっちは悪魔でしょ」
こんなベテランさんたちもいるでしょうが、

「病院行ってるのにほとんど説明してもらってないから、すっごい勉強になった」
「ピルなんか恐いと不安だったけど、やっぱり飲まなきゃ」
「登場した患者さんたちに励まされた」
という人たちもいれば、
「半分も不妊だなんて辛すぎる」
「彼もきっと番組を見たからどーしよう?」
「肺にどんどん血がたまりまくって肺が破れるとか、卵巣ガンになるとか、もう恐すぎてイヤーー」
という人たちも(お母様たちも)多かったでしょうね。

この19年間、専門医と議論してきた知識レベル(もし英語が堪能であれば世界の専門医でも)と、患者視点の独自の大規模データを3回もとってきたJEMAは、日本で最も内膜症がわかっている立場であり、設立以来多くのテレビ番組で取材されてきた状況から考えて、
今回の「ためしてガッテン」は、5段階評価でいうと「4」、10段階評価でいうと「7」というところでしょう。

昨年5月25日の「あさイチ 内膜症、不妊、ピルで予防」が、金メダル(10分と短かった点も大きいが)。
今回の「ためしてガッテン」は、銅メダルです。
銀メダルは何かというと、まだ差し上げる番組はありません。

もしかして、2011年11月~12月の子宮筋腫で、「ためしてガッテン」のしばらくあとに「あさイチ」がガッテンコラボでさらに充実した放送をしたときのように、今後の「あさイチ」がもう一度内膜症を取り上げてくれるなら、今度こそ260万人(あくまでも推計ですよ)のために、かつこれから内膜症になっていくあまたの少女たちのために(男性のみなさん、あなたの娘さんやお孫さんのことよ)、最高の番組になるようご協力させて頂きますが、NHKさん、いかがかしら・・・

とにかく、「あさイチ」関係者にメールを送ってみます。
まずは、決して「ためしてガッテン」のまんまを使っちゃいけないと、釘を刺さなきゃ!


さて、今回の内膜症番組の功罪を書く前に、2011年11月30日放送の子宮筋腫、「守れ、女性のカラダ! 子宮のコブの大誤解」(NHKの番組サイトに過去の放送内容が読める)について、書いておきます。
月経のある女性の1割以上にある内膜症と比べると、子宮筋腫は女性の3~4人に1人が持っている、はるかに知られている疾患なので、放送内容は基本からものすごい深掘りした内容まで幅広く、現場の産婦人科医でも「へ~~、そうなんだ」とガッテンガッテンを連打する人がチラホラいるであろうほど、充実した内容でした。
その2週間後の「あさイチ」が、ガッテンコラボとしていっそう拡充した内容で放送されたのは、難病のJEMAから見るともう羨ましい限り。
筋腫の「ガッテン」は5段階評価の5、10段階評価の9、「あさイチ」は10段階評価の満点ですよ。


では、
今回の「ためしてガッテン さらば、あのツライ痛み! 260万人を襲う謎の病」の功罪について。

【功】
1.子宮内膜症は子宮の病気ではない、という内膜症の初めの一歩が、内膜症史上初めて、かつ印象的に説明された。
 JEMAでは設立以来広めてきたことで、JEMA情報を読んだ人は知っているものの(ホームページはのべ200万アクセス超、新旧会報誌はのべ2万人超、書籍は1万5千冊超)、世間の大半の人々は知らなかったわけだから、大変良かった。
 男性回答者の「早く病気の名前を変えればいいのに」という発言は、JEMAが1994年の設立早期に医師たちによく言ったことだ。

 せっかくだから詳しく書いておくと、子宮内膜症は子宮内膜様の細胞組織が異所性に身体のどこかに発生してしまう病気で(大半は下腹部内)、性格はガンとよく似ている。つまり、ガンのように周囲の組織を犯していき(ガンほど大きくは成長しない)、筋腫は転移などしないが内膜症は転移することもある。

2.子宮と卵巣が離れているからこそ、わずかであっても逆流月経血(月経血とは子宮内膜と血液の混じったもの)が子宮の外、つまりお腹の中に広がってしまうこと、かつそれは9割以上の女性に当たり前に起こっていることだけど、免疫機構の働きの違い(どう違うかは解明されていないが)によって、1割以上の人にだけ内膜症病巣ができていくという流れが、内膜症史上初めてわかりやすく説明された。

3.患者の半数が不妊というデータもある、と原田教授が明確に語ったのは内膜症史上初めてで、こういう厳しい現実をテレビで語るのは勇気がいったと思う。
 するとその直後、小野アナウンサーが、不妊と言われても妊娠しないというわけではないですよね? と意味不明な質問をたたみかけてきたが、原田教授は、不妊治療で妊娠することもできます、とあいまい表現で納めた(あんなふうに八の字眉でつめよられたら気おくれしちゃうだろうな、男性は)。
 これって、不妊治療をすればみんな妊娠するともとれるし、そのなかの何割かが妊娠するだけともとれる(こっちが現実。JEMAデータでは不妊治療も含めたうえで内膜症女性に子どもがいるのは半数)。
 
 ちなみに、不妊というのは、排卵日前後に積極的にセックスをして、1~2年できないときに、初めて不妊と言う。そうでない段階でいろんな不妊検査をしても、子どもができるかどうかなど全くわからない。

4.治療法の薬物治療で、副作用が少なく長期に使えるピルと同じ成分の薬だけが説明されたのは、近年のテレビでは定番だが、これは尺の長い番組だから、痛みを緩和する効果だけじゃなく、基本的には排卵を抑える(作用だから)内膜症の進行を抑える、妊娠したくなったらやめればいい、なども説明されたのは、内膜症史上初めてで、画期的。
 おそらく多くの診察室で医師が言うのは、ピルの治療効果は強くはないとか弱い、だろうが、正しくは、ピルであろうが劇薬のGnRHアゴニストであろうが効果は同等で(JEMAのガイドラインページ参照)、薬の使用中は内膜症の進行は抑えられている、ということ。

 ちなみに日本の厚労省だけが、内膜症や月経痛で保険適用を与えたルナベルとヤーズを、低用量エストロゲンプロゲステロン配合剤(通称LEP)と命名しているが、これらは日本を一歩出たら避妊でも使う当たり前のピル。世界的には避妊で使うあらゆるOC(ピルは通称)を、治療にも使うだけのことで、何の区別もない。

 さらに、これまでの薬は副作用が非常に強くて半年ほどしか使えなかった、と語られたことは、素晴らしい。
 とくにGnRHアゴニストの"うつ問題"は、JEMAが2002年から出し始めた厚労省への要望書のなかでデータを元に何度も訴え、各種産婦人科学会で会場発言もしまくり、産婦人科医学界に広めたことなので、感慨深い。
 これを、あなた誰よという医者じゃなく、日本の内膜症基礎研究第一人者の鳥大・原田教授が語ったことに、大きな価値がある(原田氏とJEMAは1997年以来の関係)。

5.手術治療では負担の少ない腹腔鏡手術の説明をして、治療の締めくくりとして、根治は難しいが、コントロールできるようになった、と語ったのは、素晴らしい!

6.内膜症のがん化は1%だからこそ、卵巣チョコレート嚢胞のある人は閉経後も経過観察が必要、と締めくくったのは、内膜症史上初めで、画期的!!
 世界で一生懸命研究されているが、がん化の条件(どんな人、どんな病巣など)はまだわからないので、チョコのある卵巣ごと取り去るか、チョコを持ったまま閉経するかは、医師とよく相談したうえで患者の選択となる。
 学会ではよく知られた事実だが、卵巣がん患者のおよそ半分には卵巣チョコレート嚢胞もある(つまり内膜症女性ということ)。
 チョコを持ったまま閉経しようと考える場合は、50代は半年ごとに卵巣がんの診断で信頼できる病院を受診してねとJEMAでは説明している(50代の状態によっては60代やそれ以上も)。

7.登場した内膜症女性たちが、みな一様に、「なんでガマンしてたんだろう、もっと早く向き合えばよかった、もっと早く行けばよかった」と語り、治療を受けている今は、「楽しい、毎日元気に働ける、仕事も生活もふつうにできる」と語ったことは、多くの内膜症女性や家族をはげまし、月経痛に悩む若い女性たちの受診行動を促す効果があったと思う。

8.子宮の中で働く「子宮内膜ちゃん」の動画はすばらしい作品で、「月経(生理)」や「排卵」、生殖器の構造などを学校で教えるのに、最適の教材になる。


1.しかし、それは子宮内膜症の病巣で起こっていることと同じとは言えない。
 この100年、誰も病巣で起こっていることは目視していないし、難しいが、エストロゲンとプロゲステロンの各受容体の発現状況(出てくる状況や数)が、病巣と普通の子宮内膜組織では全く違っている。

 100歩譲って、内膜症病巣で起こっていることも「あの動画」で説明してしまうのであれば、病巣自体が1ミリ以下や数ミリの大きさであることを大前提として、動画を構成すべきである。
 卵巣や肺の病巣を、最近よく登場するPM2.5の大きさの説明画像のように(毛髪、花粉、PM2.5の断面写真がそろって表示される画像)、客観的にまるで規模が違うという事実をちゃんと呈示すべきである。

 卵巣チョコレート嚢胞は、たとえば直径5センチの大きさになっていても、実際の病巣はやはり1ミリ以下~数ミリであると、ディレクターは知っていたのか?
 JEMAを取材した多くのメディアには、こんなことは基本のキとして説明するが、今回は一切JEMAに取材がなかった希有な番組なので、こんなことになったのではないかと想像している。

 とくに、肺の内膜症の説明は、あまりに酷く、放送時から今もこれからも、視聴者に大誤解を広め続けている。
一般視聴者の誤解もイヤだが、それ以上に、内膜症女性たち自身と家族に、恐怖が始まってしまった。
 最初に志の輔氏が背広をはだけたとき、右肺全体に破れがあった時点から、ディレクターに怒りがわいた。
 そして、かの子宮内膜ちゃんが肺全体に広がってぶくぶく成長し、しゅーんと萎えていくと同時に血液が広がっていったのを見て、訂正放送レベルではないかと思った。

 医学的には月経随伴性気胸という病気(JEMAでは胸部内膜症の気胸タイプと言う)で、JEMAでは2004年からホームページ内の他臓器子宮内膜症掲示板(去年の学会で希少部位子宮内膜症と名称統一された)で、この病気の多くの女性たちをサポートし続けている(希少部位で一番人数が多いのは腸管内膜症で、この気胸タイプは2番、他にも泌尿器、へそほかいろいろある)。

 この病気で胸の内視鏡手術をするダントツ第一人者、呼吸器外科医のK医師とは以前から連絡している関係だが、放送を見ていないというので、是非再放送を録画して見て欲しいと訴えてある。

 もうみなさん想像してもらえるだろうが、肺の内膜症病巣も、1ミリ以下~数ミリなのである

 さらに、卵巣チョコレート嚢胞と違って(というかこれが特殊な状況である)、肺そのものと体を形作っているボディー内側との間には、胸腔(きょうくう)という薄い狭い空間があるので(この空間があるから呼吸できる)、内膜症病巣は、テレビに出てきた腹膜ブルーベリースポットのさらにミニサイズくらいにしか成長しない。
 そのミニ病巣の中央部に、月経時にわずかな穴があき(登場した患者さんの主治医は"破れる"と説明したようだが珍しい表現だ)、空気が入り込んでくることで、肺が強制的に縮まされてしまうわけだ。

 それに、原田教授がチラッと語った、横隔膜の穴(右ばっかりと説明してた)のほうが重要
 下腹部内にできたふつうの内膜症が、まれに横隔膜(お腹と胸をわけている広い膜組織)の下側にもでき(お腹から見たら天井)、上側の胸部にまで進んでしまうことで(胸から見たら底)、このタイプの胸の内膜症はできていくと考えられている。

 横隔膜にできた内膜症病巣が、胸の薄い狭い空間のなかで、少しずつ肺やボディー内側の表面を上がっていき、それらの勝手なところにくっついて、そこでも成長することで、月経時にそこにもピンホールの穴があき、肺胞(はいほう:両肺で何億個もある小袋)の中の空気が胸腔へと素通りするようになってしまうから、肺が縮まされてしまう、というしくみだろうと考えられている。

 横隔膜や、肺やボディー内側の内膜症病巣は、もう一度書いておくが、1ミリ以下~数ミリサイズで、2~3個の人から10~20個もある人まである。

 また、お腹の中のふつうの内膜症(ブルーベリースポットなど)は腹膜(ふくまく)が、このタイプは胸膜(きょうまく)が、病巣からときどきチビッとしみ出る血液を、吸収・処理してくれている(カラダは凄い!)。

 卵巣チョコレート嚢胞こそ特殊であるというのは、卵巣はかたい豆腐のような塊の臓器で、その塊のなかに1ミリ以下の内膜症病巣が入りこんでしまうため(排卵直後)、病巣からときどきチビッとしみ出る血液を吸収・処理してくれる腹膜がないので、ときどきチビッと出る血液はたまりつづけるしかなく、年月をかけて少~しずつ成長し、3センチとか6センチなどになっていくわけ。

 ちなみに、何年にもわたって最初の血液から卵巣内にたまり続けているという点で、血液のなかの鉄分が年月をかけて少~しずつ悪さをして、卵巣チョコレート嚢胞はガン化していくと考えられている。

2.患者は推計260万人もいて、それこそ1万とおりほども病状や治療経過があるだろうに(とくに医師の手術技術差が大きい)、そのたった1人でしかないタレントや著名人を、わざわざ時間を多くとって、再現ドラマで劇的に扱うのは、本当にもうやめてもらいたい。
 「ためしてガッテン」で、病気のタレントや著名人をこのように再現ドラマで登場させたケースがあったのなら、是非教えてほしい。

 何が問題かというと、そういうタレントや著名人が関わってきた医師たちは、とくに内膜症にたけているわけではないのに、その普通の医師たちが語ったことや行った治療状況が、まことしやかにテレビから垂れ流されることで、内膜症女性と家族に大いに混乱を招くことだ。
 
 今回の例で言えば、不妊問題の扱いがいただけない。
 彼女の主治医が、自分が卵巣チョコレート嚢胞を取る手術をすれば、元気になって仕事に復帰できるという説明はそのとおりというか、当たり前のことだし、子どもが生まれるまで責任をもってサポートするというならそうしてあげてほしいが、保存手術でいかにも子どもができやすくなるみたいな甘いウソは、やめてほしい。
 
 いまどき、結婚していて子どもを欲している内膜症女性に保存手術を勧めるとき、こんな甘い説明をする医師は少数派だ。
 一般的にはこう説明する。
  「手術をしても再発率は高いので、子どもがほしいなら早くトライしましょう(できるだけ若いうちに)。不妊の場合も多いので、不妊治療を考慮する必要もあります。術後にすぐ子どもを作らないのであれば、再発予防として術後は低用量ピルや黄体ホルモン剤を使っていきましょう。」

 日本産婦人科学会のデータでとうに明確に出ているが、それなりの医師が手術しても痛みが緩和する率は結構あるが、誰が手術しても(名医でも)子どもができるようになる率はそう高くはないし、20代の再発率は非常に高い。

 まして、2005年あたりから世界でも日本でも明確にガイドラインで書かれているのが(JEMAのガイドラインページを参照)、保存手術をして妊娠率が上がるのは1期2期(チョコレート嚢胞ができる前のレベル)であって、チョコレート嚢胞が3センチ以上になっている場合は、妊娠するより前に卵巣をいじる保存手術は十分考慮しなければならない(そう簡単にやっちゃいけないってこと)。

 ついでに書いておくと、内膜症なんぞがあろうとなかろうと、21世紀になってからの不妊医療の大原則は、不妊の第一原因は「卵子の年齢」ということ(NHK報道系番組が去年しっかりとりあげた「卵子の老化という衝撃」を参照)。
 現在、日本のカップルの不妊率は6組に1組になっているが(一昔前は10組に1組だったが)、内膜症女性でいうと半分になってしまうわけで(内膜症の不妊率は誰がどうとったデータかで大きな差があり、もっと良いデータもある)、内膜症は昔も今も不妊治療医たちの大きな壁になっている。

3.内膜症の1種、「子宮腺筋症」が全く欠落していた。
 JEMAデータでは内膜症女性の3割に腺筋症がある。
 ちなみに学会では肺の内膜症は1%もないと言われている(0.1%もないかも)。
 まあ、あの番組なら、さらに腺筋症まで説明するのは無理だったのかもしれないが、肺の内膜症を大間違いの説明で長々と扱ってしまったわけで、そもそも肺タイプなどは取り上げず、著名人の再現ドラマも割愛して(不妊のことは人物なしで説明すればよい)、腺筋症を取り上げるべきだったのではないか。


とりあえず、再放送前なので、まとまりのない文章ですが、このへんでいったんアップしておきます(25日朝)。

* 26日(夜)、少し加筆修正しました。

(2月19日追記)

「ためしてガッテン」は以前から毎週録画予約にしているので、予約詳細を読んでなかったんですが、最近20日の内膜症の"番組内容"を読んで、驚いた!
元オリンピック選手で内膜症に苦しんだと最近よく民放に出るHさんが、この番組にも登場するみたいですよ・・・
NHKのためしてガッテンで、3人の回答者以外に、病気の有名人が出たことなんてありましたっけ?

Hさんは月経痛とチョコレート嚢胞で腹腔鏡手術をしたと他の報道で聞きましたが、これって日本で一番よくある(JEMAデータでは8割)ごく普通の内膜症患者さんですが、ためしてガッテンで当たり前にいつも登場する一般患者さんのケースとしては、この最大タイプの人はいなかったってことかしら?


[以下、17日に書いた最初の記事]

きたる2月20日(水)夜8時、NHK「ためしてガッテン」で、子宮内膜症が取り上げられます。

JEMAをやってきて19年になりますが、これほど放送時間の長い、かつ有名な健康・医療番組で、内膜症だけが単独で取り上げられるのは、初めてではないでしょうか。

しかし、NHKでは初めてのことですが、JEMAに取材はありませんでした。

登場する医師は、子宮内膜症の基礎研究の第一人者ですが、テレビに登場するのは初めてです。
1月のエンドメトリオーシス学会(JEMAは96年から参加)で、本人からお聞きしました。
JEMAが取材されてないことに、驚いてましたね。これまでの新聞の内膜症報道で、何度かJEMAがこの医師を記者に推薦してきた関係だからでしょう(過去の各種テレビ報道でも推薦してきたが、テレビのキー局は首都圏の医師を好む)。


この19年で、民放では、JEMAに取材がなく内容の酷いものが多々あり、番組に対して後日JEMAから意見表明をしたこともよくありました。
とくに放送内容の問題性が酷くて訂正放送を要求したのが、テレビ朝日で2回あり(性行為の多い女性がかかる病気かのような流れだった)、共に次回放送時に訂正謝罪が放送されています。それ以後は、この手のとんでもない解説はなくなりました。

いっぽう、JEMAに取材があったものは、できるだけ良い内容になるよう、最後の最後まで協力や要望をしています。


【NHKの過去の番組】 (2月21日朝、少し内容を追加しました)

・1994年7月のJEMA設立の半年ほど前に、設立準備中のJEMAと内膜症について、「くらしのジャーナル」という朝の番組で40分ほど放送された。
 設立準備グループの1人が顔出しで登場。
 内膜症という病気がテレビにちゃんと登場したのは、これが一番最初ではないだろうか。

・2002年12月、首都圏ネットワーク(関東地区の夕方の報道番組)で、JEMAが厚労省に初めて「ピルの保険適応要望書」を出す状況や、G薬で酷い副作用に見舞われた会員さん2人をクローズアップしてくれた。
 医師はJEMAが推薦した東大・子宮内膜症外来の大須賀医師。
 以後も首都圏ネットワークの男性ディレクターと懇意になったので、何度かニュースで取り上げてもらった。

・2003年1月、朝の「生活ホットモーニング」で、筋腫と内膜症で80分ほど放送。
 内膜症ではボランティアスタッフの20代の女性がご家族ともども顔出しで登場。
 医師はJEMAから推薦できなかったが、慶應の浅田医師だった(偶然にもJEMAが勧める医師の1人)。
 取材は女性記者だった。

・2006年7月、「きょうの健康」で、月経、筋腫、内膜症、子宮がんで、4日間連続放送(1回15分)。30代のボランティアスタッフさんが登場。
 これ以前に内膜症は「きょうの健康」で2回取り上げられているが、ともに酷い内容だったので(20世紀のGnRHアゴニスト垂れ流し医療そのまんま)、JEMAに取材依頼してきた若い男性ディレクターに、徹底的に内膜症の正しい医療(世界では20世紀から当たり前のことだけど)を説明した。
 医師はJEMAが推薦した愛育病院の安達医師。

・2012年4月、「あさイチ」で、"内膜症、不妊、ピルで予防" というテーマのもと、10分の放送。
 とくに良かったのが、母親が内膜症である19歳女子が、月経痛治療と将来の不妊予防をかねてピルを始めたケースが登場したこと(ただしスタジオのY解説委員おじさんはしきりに疑問を呈していたが)。
 その頃設立した子宮内膜症啓発会議(医師と製薬企業の組織)実行委員長の聖路加の百枝医師が登場し(JEMAが推薦)、スタジオの記者の生解説でも、内膜症も将来の不妊もピルで予防できることが強調されるという、画期的な内容だった。
 「あさイチ」の内容が良かったのは、この女性記者がJEMAも啓発会議もじっくり取材してくれた成果だったが、今回問い合わせたところ、彼女は報道系で、ためしてガッテンは番組制作系なので、会社が違うほど全く無関係だそうな。
ご無沙汰していましたが、4月の中頃にNHKの取材を受けていたのが、明日の朝8時15分から、NHK「あさイチ」で放送されます。
この番組は、40代シングルの有働キャスターが、ジャニーズのイノッチなどと提供するユニークな情報番組で、私もテーマによって録画して見ることが結構あります。

明日25(金)は、著名人をスタジオに招いてロングインタビューをする曜日で、綾瀬はるかさんが登場。
そのインタビューの前に10分前後、全く違う話題が入る、それが、今回、内膜症となります。

JEMAを取材し、テレビに出られる患者さんを紹介してほいしいというNHK女性記者さんの主旨は、以下でした。
「バレンタインの日にクローズアップ現代で放送した"卵子の老化という衝撃"の反響が大きく、じゃあ現代女性はいったいどうしたらいいのかということを調べていたら、内膜症に行き当たった。
内膜症は不妊疾患だけども、早期にピルを使い始めることで、予防が可能と知った。
だから、内膜症の不妊をしっかり取り上げることで、内膜症や不妊をピル常用で予防することを女性たちに広めたい。」

なかなかに良い企画だと思ったので、JEMAではいろいろ協力しましたが、最終的にJEMAが推薦した40代の内膜症女性(20代から内膜症で薬物治療も手術治療も経験、30代で顕微授精まで経験したが子どもはできなかった、仕事はずっと続けている)は、なぜかそぐわなかったようで、20代の不妊治療真っ最中の女性が登場するようです。
元々、NHK記者さんのJEMAへの要望は、内膜症で不妊治療をしたけど子どもができなかった女性、ということだったので、そのとおりの人を提案したんですけどね。

さて、"卵子の老化という衝撃"から始まった続編企画で、キャスターの有働さんがそのまんまの立場なわけで、いったいどんなコメントが飛び出すのか、横にいるイノッチの奥さんの瀬戸朝香さんは出産しているし、なんか恐いような気がしますが、楽しみです!

2012年、最初の記事になりますね。

 

今朝、フジテレビの「とくダネ!」で、子宮内膜症がとりあげられました。

民放に内膜症が登場したのは、ものすご~~~く久しぶりです。

JEMAには先週メールで取材があったので、電話やメールで少し情報提供しています。

 

おおむね良かったと思います。

痛みのことだけでなく(痛くない内膜症もありますよ)、不妊率が高いことも出たし(子どもを産めるかどうかは半々です)、早期発見と早期治療開始(低用量ピル)が重要なことも強調されたし、ちゃんと治療を続ければふつうの生活や仕事だけでなく、競技生活なども可能なことが、しっかり出ていましたね。

 

ただし、チョコレート嚢胞が卵巣がんに変わるケースの説明で、起こるのはまれである、という説明が抜けていましたーーー!

また、最後のフリップに、閉経後、と限定されていたのも、イマイチでした。

伊藤氏の説明には閉経まぎわから、というのも入っていましたが、まれとはいえ、「40代のチョコレート嚢胞はリスクが上がる」、と加えて欲しかったです。

 

そうそう、司会者さんがわかってなかったですが、チョコレート嚢胞は子宮内膜症の典型的な病巣ですよ。

こういう基本的な説明は、「子宮内膜症とは?」コーナーを読んで下さい。

 

そして、早速、JEMAの非公開掲示板で、JEMAサポーターさんの感想が入りました。

「手術をすれば内膜症も不妊状態も治ってしまう、と勘違いする人がいそうな気がする」、とのことです。

うん、確かにそうですね、この勘違いをすると、大損しますよ。

内膜症は、残念ながら、手術をしても薬物治療をしても、消えてくれるとか、治ってしまうようなことはありません。

手術は必要なときに1~3回くらいしますが、必ず再発します。

だから、術後は低用量ピルを使い続けて、手術で大幅に改善した状態を維持しつつ、新しく生まれようとする内膜症を抑えていきます。

 

また、薬物治療をしている期間は、内膜症がすくすく育つことはありませんが、薬物治療をやめると、とたんに"前へ進めっ"になっちゃうのが、内膜症のやっかいなところ。

だから、何年にもわたって薬物治療をし続ける必要があり、何年にもわたって使っても体に問題がないのは、ピルだけなのです。

 

 

さて、今日の放送のなかで、

患者団体に相談するのもいいですよ、みたいに語られたので、改めてJEMAの電話相談システムについて、ここに書いておきます。

 

ホームページの「電話相談」コーナーを読んで頂ければ詳しく解説していますが、現在はそこで説明している状況(2010年3月ごろの記述)と、変わっている点もあります。

 

・JEMAの相談活動は、電話相談のみ(手紙、FAX、メールの相談はなし)。

 ただし、電話相談後に2回寄付なさり(寄付コーナー参照)、"JEMAのサポーターさん"になると、非公開のQuilt掲示板でいつでも相談できます。

 

・相談できるのは、内膜症のご本人のみ

 ただし、会話に障害があるとか、日本語がうまく話せない場合は、ご家族ご友人でも構いません。

 

相談時には名前と住所をお聞きし、後日、寄付のお願い封書をお送りします(その後、寄付して下さらず、相談しっぱなしの人も2割前後おられます・・・)。

 

近年の電話相談は

  木曜 夜7時~9時(19時~21時)

  06-6764-4344

 

ただし、本日は木曜ですが、明日から長崎の内膜症の学会に出発するため、いろいろ準備があり、中止です~~(昨日臨時でしたんですよ) m(_ _)m

今、朝刊の記事を読みました。

朝日の連載が、やっと終わった(全6回)。

asahi.comの「患者を生きる」コーナー

 

説明しなければならないことは山ほどありますが、とりあえずこれだけ、先に書いておきます。

 

今日の記事のなかで、JEMAのいぬいが語った内容は、「  」のなかで語っている言葉だけです。

3回ほどの電話で、合計1時間くらいでしょうか、の会話のなかでいろいろ言ったことを、記者さんがまとめたんだと思います。

そしておそらく、東大の大須賀医師も、そうだと思います。

 

2人の「  」の言葉以外の、すべての文章は、この記者さん(科学医療部:15日22時まで生活文化部と間違って書いていた。取材に来なかったので名刺がなく勘違いしていた)が独自に、誰かに取材したの???、 ご自分で書いていることです。

 

図も、そうだとしか思えません(図の出典は書いてない)。

こんな図(とくに一番上)、JEMAが言うはずがないですからね、東大もそうだと思いますけどねえ・・・

9月17日のブログ記事(保存版)に書いているように、保存手術は卵巣機能低下を招く可能性があるので、妊娠直前に必ず手術をする、なんてこんな図は、ありえません。

将来子どもが欲しい場合の選択肢が、薬物療法と経過観察となっているのも、JEMAなら薬物治療のみしか言いません。

 ふ~~~、細かく書いてると時間をくうので、細かいことは改めて。

 

 

内膜症が新聞記事になることは近年はなかったですが、08年3月の同じ朝日新聞の科学医療部の男性記者さん(その後若くして亡くなられた)が、医療ページに1ページまるまる書いてくれた記事は(ルナベルが承認された時)、過去最高のものでした。

 

彼は当たり前に大阪に取材に来たし(雑誌やテレビの取材は電話やFAXだけもわりあいあったが、新聞はみな直接取材に来るもの)、電話とメールもかなり何度もし合いました。

ちなみにメディアの取材は、1994年の設立時から一貫して、直接会って2時間ほど行い、あとは電話やメールやFAXで補強していきます。JEMA通信などの資料は、最初の取材依頼メール後にどっさり送付しておき、実際に会うまでに読破してねと暗に強要しておきます。

 

このあと、これで少なくとも朝日新聞の取材に関しては、日本の内膜症医療の説明をさほどしなくてもよくなったと思ったのです。

 

だから、今回の記者さんが大阪に取材には行けないと言っても(新聞取材では珍しいこと)、電話だけでも、まあいいかなと思っていたのです。

 

それなのに・・・・・今朝のまとめ記事(情報編)は、驚愕以外のなにものでもありません。

 

10月9日(日)早朝:長年の昼夜逆転族なのでこれから寝ます

 

 

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