JEMA BLOG
いきなり、"まとめ"みたいな記事になります。
 
1ヶ月ほど前、突然、ある地方の大学病院産婦人科医からメールが入り、県民か市民向けの女性の健康公開講座で、筋腫と内膜症の講演会を開催するにあたり、自分とともに、講師になってもらえないかという依頼が書いてありました。
 
JEMAはこの17年、いろんな大学病院の医師たちと会話してきましたが(大学病院以外もたくさんありますが)、この大学は1人も1度もないので、ちと心配になり、「JEMAの講演内容がそちらの講演内容と合わない可能性もありますが、JEMAはこんな内容でお話しちゃうと思いますけどいかがですか?」と、下記の長~い重要キーワード集をまとめて、返信しておきました。
 
最初の依頼メールの時点で、JEMAにメールしてきたのはその講演をするお医者さん個人であり、大学か産婦人科医局かわからないけど、事務局というところで承認を得ないといけない、みたいに書いてありました。
 
そして、最近届いた彼のメールは、NOでした。
 
 
では、JEMAがこの大学病院産婦人科医に呈示した、「JEMAが講演するならこういう内容になっちゃいますよ」を、ご紹介します。
この医師へのメールにだけ書いておくには、余りにもったいない"まとめ"ですからね。
 
以下、内膜症医療の最重要キーワード集として、保存版ですよ~~!
なお、医師に対して作ったまとめですから、言葉が難しい部分も結構あるので、少し注釈をつけたり、簡単に言い換えたりしています。
 
 
【子宮内膜症の女性と医療のキーワード集】
 
 私どもの主張は、とにかくピル、につきます。
日本は世界の中で圧倒的にピルの種類がありませんが、2013年にルナベルの超低用量タイプが出る予定なので、それで最低限、そろいます。
 
G薬の出番は一切なく、代わりにディナゲストです(術前に数ヶ月使うとか、激痛の人など)。
 
基本的な長期維持療法はピルであって、ここにディナゲストを使うとすると、ピルで疼痛緩和ができない人か、ピルの副作用が大問題になる人くらいです。
 
以下が、JEMAが電話相談や掲示板相談で語っている内容の抜粋です。
 
月経痛が毎月あって学業や仕事に影響があるとか、内膜症と臨床診断された場合は痛みがひどくなくても、積極的に低用量ピルを使う。
 
ピルを使わなきゃいけないんですか? じゃなくて、ピルは一石何鳥もあると慶應・吉村教授も講演するほど、珍しい良薬。
 
たとえば、不妊予防薬である(こう呼べるのは地上でピルしかない)。
 
10代とか、40代なかば以降とか、性成熟期(20代~40歳過ぎ)でもガリガリさんとか鬱々不安系さんは副作用が出やすいので、非常に弱いピルであるヤーズで、これ以外の人はルナベル。
 
ただし、ルナベルは元気が出るピルなので(成分のNETにアンドロゲン作用が適量にあるから)、鬱々不安系さんには良い効果が出る場合もある。
 
疼痛で生活に支障がない場合は、チョコがあっても5~6センチ程度ならピルでもよい。
 
ただし40代なら、そちらの卵巣摘出を考える(近い将来の卵巣がん化を避けるため)。
 
ついでに子宮摘出もしたほうがものすごく楽になるが、これは知識(閉経前後以後のホルモン補充療法には子宮がないほうがERTでいけるのでかなり健康的)や思想で、何とも言えない。
 
疼痛緩和のためでも、子作りのためでも、内膜症女性の手術は、上手い医者を選ばないと大損。
 
保存手術のあとは、1~2回月経をみてもいいけど(手術効果を感じるため)、子どもを作りたくなるまでピルを使い続けること。
 目的は、内膜症の再発予防と、3つ下に書いてあること。
 
35歳以下でも、子作りする前に卵巣に2回以上メスを入れるのは避けたほうがいい(これが現在最も難しい課題)。
 
自分の人生には、自分が産む子どもが必ず欲しいと考えている人は、30歳までに第一子を作ろうとすること。
 
35歳までなら、ピルを使っている間は使用開始直前のその人の妊娠能力が保持される可能性が高いので、痛くなくても、10代20代から延々とピルを使い続けよう(これは内膜症や月経痛の有無に関わらず全女性に言えること)。
 
確実に内膜症があるのに、30歳を超えるまで自然周期(ふつうの月経)を繰り返していると、出産までいける人はかなり減る。
 
内膜症が確実にある女性が閉経したとき、出産経験があるのは、どんな生殖医療を何回利用しようが、半分。
 
だから、タイミング法から順番に、などと悠長なことが言えるのは20代であって、30代ならIVF(体外受精)に早めにトライしたほうがいい。
 
ただし、できた子どもが成人するまで養育するのは、夫婦2人の共同作業であり義務なわけで、生殖医療をどう活用するかは事前に夫婦でしっかり話し合うべし。
 
このとき、生殖医療は基本的に女性を不健康にしていく医療行為であることを、夫はしっかり認識すべし(疼痛緩和のための手術やピルとはまるで違う医療である)。
 
身近なとてもやっかいな存在(敵になることも)は、夫でも姑でも職場やご近所でもなく、自分の母であるケースが多い。母はあなたを産んでいるので不妊ではないし、月経痛にさほど悩まなかった人も多いから。
 
 
 
ここからは余談です。
 
あちらからの依頼のうえで、改めて断ってきた主旨として書いてあったことは(七三で断ってくると予想してましたけどね)、
「いぬい様のピル中心のご講演より、患者さんの立場からより広い視点で子宮内膜症とどのように向き合い、解決方法を模索されたかという要旨でご講演いただける方」
だそうですよ。
 
ん? ピルの話は最初だけでしょ。
子作りや不妊のことから、手術のことから、内膜症にならないためにはってことから、家族関係のことまで、かなり多岐にわたってますけどね・・・
 
この地方大学病院の、そこそこ地位のあるこの産婦人科医が、私の返信メールを1人だけで読んだのか、医局内でまわしたのかわかりませんが、この医師1人であっても、今後の彼の診療内容に影響を与えたはずなので、本望です。
 
こういう体験は、JEMAの長年の医療改革の一端として、よーーくあったことですもの。
 
9月17日夜 (18日未明、修正加筆)
 

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