2011年9月アーカイブ

生殖期(思春期と更年期の間)の女性の頭の中には、いつか子どもを産みたい、という漠然とした思いがあるのではないでしょうか。

いつか結婚したい、よりも少し多いくらい。

 

この漠然とした、しかし、当たり前にわたしにもその日が来る、とイメージしていることに対して、21世紀の日本の女子のみなさんは、今、具体的に、何かしていますか?

20世紀の女子たちと同じで、ただ何となく、思ってるだけかな?

7月だったか、夜7時のNHKニュースを見ていたら、就活でも婚活でもなく、いよいよ妊活が注目される時代になった、なんてやってましたよ。

その女性誌主催イベントの内容はほとんど解説されませんでしたが、30代の女性たちが、知識や自覚が足りなかったですぅ、なんてインタビューを受けていました。

 

そこで、ちょいと考えてみました。

 

・BMIを20~24あたりで維持するよう、食生活に気をつけている。

・市民検診や社内検診などで何もひっかからないよう、衣食住全般で気をつけている。

・定期的な軽いエクササイズを、続けている。

・飲酒は適量にし、喫煙はしない。

・強いストレスを持ち続けないよう、学校や職場や家庭の人間関係を、とりあえずうまくやる。

 

こんなことをしないと妊娠しない、と言ってるのではありませんよ。

細身の中高生でも、卵子年齢が若くて元気満々なので、排卵期にセックスすれば妊娠しますからね。

ただし、望まぬ妊娠と中絶は、カラダと心に大きなダメージを残します。

 

さて、どこにも書いてないと思う、JEMAならではのことを、1つご紹介しておきましょう。

中絶処置によって、子宮から胸に向かって子宮内膜という細胞組織がわずかながらも移動し、数週間以降に(数年後から後に:2014年12月末修正)、内膜症が肺に発生するケースがあります。

肺にできる内膜症には気胸タイプと喀血タイプがありますが、こういう場合は喀血タイプのほうが多いようで、症状は、月経時に口から血液を吐いてしまいます(ツバ程度からコップ1杯くらいまで様々ですが、吐いたらスッキリする)。気胸タイプのほうは、月経時に気胸になってしまいます(肺が少し縮んで呼吸がしんどくなること)。(この1文は2014年12月末加筆)

 

肺に内膜症のある人は過去に中絶手術をしている、と言ってるのではないので、情報の取扱にはご注意下さいね。

子宮の内側に器具やメスを入れてガサゴソと処置したり手術したりすることで(中絶以外にも、内膜そうは、子宮内腔のポリープや筋腫摘出など)、子宮の内側にはりめぐらされている子宮内膜組織(赤ちゃんのベッドと言われる面、月経で剥がれ落ちる面)が、少し剥がれて、奇跡的に子宮内の血管やリンパ管に入り込み、奇跡的に肺まで到達し、奇跡的にそこで生き残ってしまう場合に、かぎります。

また、こういった過去の経験がなくても、肺に内膜症ができる人もおり、どちらが何割などはわかりません。

 

 

話を戻してと、

実は上にあげてみた項目は、長い人生(日本女性は87年もありますよ!)をわりあい健康的に過ごすために、必要なこととして、考えてみたものです。

それはたぶん、スムースな妊娠にも、いいんじゃないかと思います。

 

さて、

将来のスムースな妊娠のために、もう少し加えてほしいことは、

・女性の排卵と月経、卵巣機能、妊娠から出産などについて、正しい知識をもつこと。

・ピルを勉強して、理解して、日常的に愛用すること。

 

初経から数年もすれば、誰でも、身体だけですが、妊娠可能になります。

それは同時に、誰もが、内膜症になりやすくなった、ということなのです。

 

そのまま、10代後半も、20代も、ずーーっとふつうの月経(自然周期)を繰り返していると、誰がそうなるか全くわからないのに、10人に1人は内膜症になってしまうことは、明らかです。

 

そして、このうち半分の人は、妊娠・出産が非常に難しくなってしまいます。

 

この流れを防ぐ手だては、現在の人類には、ピルしかありません。

 

ピルを使い始める好機は、高校生時代で、とくに高校2年生。

ピルに身体が慣れるまで数ヶ月から半年ほどかかる人がいるので(誰がそうなるか全くわからない)、受験や就職試験のある高校3年生で始めるのは、うまくありません。

 

とくに、

確定子宮内膜症(手術で確実に内膜症と診断されている人)のみなさんへ

あなたの娘さんに内膜症が発生するリスクは、母親が内膜症ではない娘さんと比べて、7倍も高いという海外データがあります。

内膜症は、他の慢性疾患と同じように、多因子疾患(遺伝的要素と環境的要素が複数で複雑にからみあって発生する病気)なので、親子はこれらがどれも似ている率が高いからです。

 

だから、是非、中高生の時期からピルを愛用するよう、上手にもっていってあげて下さいね。

 

9月29日(木)早朝  (夕方修正加筆)

 

 

 

いきなり、"まとめ"みたいな記事になります。
 
1ヶ月ほど前、突然、ある地方の大学病院産婦人科医からメールが入り、県民か市民向けの女性の健康公開講座で、筋腫と内膜症の講演会を開催するにあたり、自分とともに、講師になってもらえないかという依頼が書いてありました。
 
JEMAはこの17年、いろんな大学病院の医師たちと会話してきましたが(大学病院以外もたくさんありますが)、この大学は1人も1度もないので、ちと心配になり、「JEMAの講演内容がそちらの講演内容と合わない可能性もありますが、JEMAはこんな内容でお話しちゃうと思いますけどいかがですか?」と、下記の長~い重要キーワード集をまとめて、返信しておきました。
 
最初の依頼メールの時点で、JEMAにメールしてきたのはその講演をするお医者さん個人であり、大学か産婦人科医局かわからないけど、事務局というところで承認を得ないといけない、みたいに書いてありました。
 
そして、最近届いた彼のメールは、NOでした。
 
 
では、JEMAがこの大学病院産婦人科医に呈示した、「JEMAが講演するならこういう内容になっちゃいますよ」を、ご紹介します。
この医師へのメールにだけ書いておくには、余りにもったいない"まとめ"ですからね。
 
以下、内膜症医療の最重要キーワード集として、保存版ですよ~~!
なお、医師に対して作ったまとめですから、言葉が難しい部分も結構あるので、少し注釈をつけたり、簡単に言い換えたりしています。
 
 
【子宮内膜症の女性と医療のキーワード集】
 
 私どもの主張は、とにかくピル、につきます。
日本は世界の中で圧倒的にピルの種類がありませんが、2013年にルナベルの超低用量タイプが出る予定なので、それで最低限、そろいます。
 
G薬の出番は一切なく、代わりにディナゲストです(術前に数ヶ月使うとか、激痛の人など)。
 
基本的な長期維持療法はピルであって、ここにディナゲストを使うとすると、ピルで疼痛緩和ができない人か、ピルの副作用が大問題になる人くらいです。
 
以下が、JEMAが電話相談や掲示板相談で語っている内容の抜粋です。
 
月経痛が毎月あって学業や仕事に影響があるとか、内膜症と臨床診断された場合は痛みがひどくなくても、積極的に低用量ピルを使う。
 
ピルを使わなきゃいけないんですか? じゃなくて、ピルは一石何鳥もあると慶應・吉村教授も講演するほど、珍しい良薬。
 
たとえば、不妊予防薬である(こう呼べるのは地上でピルしかない)。
 
10代とか、40代なかば以降とか、性成熟期(20代~40歳過ぎ)でもガリガリさんとか鬱々不安系さんは副作用が出やすいので、非常に弱いピルであるヤーズで、これ以外の人はルナベル。
 
ただし、ルナベルは元気が出るピルなので(成分のNETにアンドロゲン作用が適量にあるから)、鬱々不安系さんには良い効果が出る場合もある。
 
疼痛で生活に支障がない場合は、チョコがあっても5~6センチ程度ならピルでもよい。
 
ただし40代なら、そちらの卵巣摘出を考える(近い将来の卵巣がん化を避けるため)。
 
ついでに子宮摘出もしたほうがものすごく楽になるが、これは知識(閉経前後以後のホルモン補充療法には子宮がないほうがERTでいけるのでかなり健康的)や思想で、何とも言えない。
 
疼痛緩和のためでも、子作りのためでも、内膜症女性の手術は、上手い医者を選ばないと大損。
 
保存手術のあとは、1~2回月経をみてもいいけど(手術効果を感じるため)、子どもを作りたくなるまでピルを使い続けること。
 目的は、内膜症の再発予防と、3つ下に書いてあること。
 
35歳以下でも、子作りする前に卵巣に2回以上メスを入れるのは避けたほうがいい(これが現在最も難しい課題)。
 
自分の人生には、自分が産む子どもが必ず欲しいと考えている人は、30歳までに第一子を作ろうとすること。
 
35歳までなら、ピルを使っている間は使用開始直前のその人の妊娠能力が保持される可能性が高いので、痛くなくても、10代20代から延々とピルを使い続けよう(これは内膜症や月経痛の有無に関わらず全女性に言えること)。
 
確実に内膜症があるのに、30歳を超えるまで自然周期(ふつうの月経)を繰り返していると、出産までいける人はかなり減る。
 
内膜症が確実にある女性が閉経したとき、出産経験があるのは、どんな生殖医療を何回利用しようが、半分。
 
だから、タイミング法から順番に、などと悠長なことが言えるのは20代であって、30代ならIVF(体外受精)に早めにトライしたほうがいい。
 
ただし、できた子どもが成人するまで養育するのは、夫婦2人の共同作業であり義務なわけで、生殖医療をどう活用するかは事前に夫婦でしっかり話し合うべし。
 
このとき、生殖医療は基本的に女性を不健康にしていく医療行為であることを、夫はしっかり認識すべし(疼痛緩和のための手術やピルとはまるで違う医療である)。
 
身近なとてもやっかいな存在(敵になることも)は、夫でも姑でも職場やご近所でもなく、自分の母であるケースが多い。母はあなたを産んでいるので不妊ではないし、月経痛にさほど悩まなかった人も多いから。
 
 
 
ここからは余談です。
 
あちらからの依頼のうえで、改めて断ってきた主旨として書いてあったことは(七三で断ってくると予想してましたけどね)、
「いぬい様のピル中心のご講演より、患者さんの立場からより広い視点で子宮内膜症とどのように向き合い、解決方法を模索されたかという要旨でご講演いただける方」
だそうですよ。
 
ん? ピルの話は最初だけでしょ。
子作りや不妊のことから、手術のことから、内膜症にならないためにはってことから、家族関係のことまで、かなり多岐にわたってますけどね・・・
 
この地方大学病院の、そこそこ地位のあるこの産婦人科医が、私の返信メールを1人だけで読んだのか、医局内でまわしたのかわかりませんが、この医師1人であっても、今後の彼の診療内容に影響を与えたはずなので、本望です。
 
こういう体験は、JEMAの長年の医療改革の一端として、よーーくあったことですもの。
 
9月17日夜 (18日未明、修正加筆)
 

先細るいっぽうのJEMA財政を助けるためのご寄付は、いつでも大歓迎です!!!

 

でも、「JEMAサポーター通信」や「旧JEMA通信セット」を入手するためや、2回寄付をしてQuilt掲示板に入るために、ご寄付をしてらっしゃると思えるケースが、最近やや増えています。

おそらく、某タレントさんの内膜症告白報道の影響でしょうね。

 

JEMAが作り上げてきた紙の医療解説を勉強してから、あとで電話相談をしようと考えておられるならいいですが、電話相談なしで紙の医療解説(大量ですし)だけ読んでいるだけでは、自分が抱えている自分の内膜症問題の解決は、難しいことも結構ありますよ。

 

電話相談を、ぜひご利用下さい。

この地球上で、これだけ内容のある内膜症の電話相談は、JEMAしかありませんよーー!

どんな名医だって、JEMAの電話相談には全く及びません!

 

たとえば、内膜症の手術治療で国内トップ2の1人は代表いぬいの執刀医ですが(07年末根治手術)、それ以前から親しくしゃべる関係でもあったので、素直に言ってます。

「僕らが苦労して手術するより、ピル使ってたらそれでえーわなー」

「とにかくJEMAに電話相談せなあかんよ」

 

電話相談では、氏名、住所をお聞きして、あとで寄付のお願い封書を送りますが、ご自分でご寄付なさるときも郵便局で氏名住所を書くわけで、同じことですよね。

 

2度寄付をしてQuilt掲示板に入ろうと考えている人も、やはり電話相談はしたほうがいいですよ。

電話相談で具体的に自分の場合における解説やアドバイスを聞いていないと、Quiltのなかの非常に細かい膨大な解説は(2600投稿以上ある)、自分の場合はどーなんだろうという理解は難しいと思います。

 

電話相談は、以前は週2回していましたが、08年後半から相談件数がどんどん減っていったので(みんながピルを使うようになり、困った人が激減したから)、今は基本的に週1回、木曜夜7時~9時です。

もし相談が増えてくるようなら、また水曜も復活させますが・・・

 

9月10日(土)夜

 

ブログJEMAでは、2011年の最新の医学・医療情報にもとづいた、子宮内膜症(以後内膜症)のキーポイントを、つづっていきたいと考えています。

 

で、一番最初のキーポイントは、これに決めました。

 

★ 内膜症は発症や発見から閉経まで、ピル(別名OCやLEP)でコントロールする病気なので、内膜症の女性や、そうかもしれない女性は、今痛くても痛くなくても、ピルを日常生活に取り込もう。

 

 *保険適用が内膜症のものと月経困難症(月経痛)のものがあるが、どちらでも良い

 *エストロゲン含有量が最も低い超低用量ピルは(超)

 *中用量ピルはできればやめておきましょう

 

日本の病院やクリニックで病気の治療薬として3割負担で処方されるもの

  ルナベル、ヤーズ(超)、(ルナベルの超低用量タイプが数年以内に登場する予定)

日本の病院やクリニックで自費診療(病院が自由に価格設定できる)で処方されるもの

  オーソM、マーベロン、トリキュラー、アンジュ、ノリニール、シンフェーズ、オーソ777

自己責任としてネットの個人輸入店で購入できるもの

  マーシロン(超)、メリアン(超)、ヤスミンほか

   この当たり前の3製品がないなど世界でも日本くらいのもの。各ピル企業の日本支社と厚労省がサボりすぎたために、患者が個人輸入するというリスクを負うはめになっている。

 

 

人の持病というのは、いろんな治療をしても完治や治癒(英語ではcure:キュア)をすることはなく、長年つきあっていく病気のことで、慢性疾患とも言います。

内膜症も、いろんな治療をしても完治や治癒してくれる治療法は現時点の医学・医療にはないので、10代~閉経までの女性の数%~10%くらいが持ち続けていく、慢性疾患です。

 

内膜症ができる原因はそれほどわかっていませんが、いろんな遺伝子といろんな環境や体質や状況のようなことが複雑に関係しあって生まれてくると考えられています(多因子疾患という)。

これは、がんを含めた現在の多くの慢性疾患と同じ説明なんですよ。

同じく、生まれた内膜症が進んでいく要因も、やはりかなり複数のことが複雑に関係しあっていると考えられています。

 

昔、あるいは今でもそう説明する医師もいるかもしれませんが、月経(生理)のせいでとか、女性ホルモンのエストロゲンのせいで、発症するとか進行するという説明は、当たっていません。

 

ただし、ふつうの月経周期(生理)を毎月繰り返していると、年々進んでいくのは確かです。

また、妊娠期間中は進まないのも確かです(緩和することも)。

また、閉経後に新しく生まれたり悪化することも基本的にはありません。

 

また、避妊におけるピルの効果や問題を調べるための欧米の壮大ないくつかの長期データのなかで、ピルを使っている群と使っていない群を比較したら、使用群のほうが明らかに内膜症が少ないという事実も、20世紀にはすでにわかっていました(他にも減る病気は、卵巣がん、子宮体がん、大腸がん、良性卵巣のう腫、良性乳房疾患、リウマチ、骨粗鬆症、貧血などなど)。

 

そして、1960年代に世界に登場したピル(最初は避妊薬として)よりもずっとあと、80年代や90年代に登場してきたダナゾール(ボンゾールなど)やGnRHアゴニスト(ナサニール、リュープリンなど)を、内膜症に使うと、結局はピルと同じく排卵が止まるので(薬の働き方はピルと真逆だけど)、内膜症が緩和するのも事実です(副作用はピルよりずーっと多彩に多発するが)。

なお、日本にピルがちゃんと登場したのは1999年ですから(世界で最後とか)、そもそものスタートが40年も遅れまくっていますね~

 

で、これらの状況証拠から、排卵が止まっている間は(月経のあるなしに関わらない)、内膜症はあまり進まないし、痛みなどの症状も緩和するということが、世界的には20世紀からちゃんとわかっていました(日本では今70代の医師たちのなかには当時から知っている人々もいる)。

 

これらの結果、

・ピルが世界に登場した1960年代から(最初は高や中用量で、1970年代前半から低用量、1990年前後から超低用量も加わった)、世界的にピルが内膜症の基本治療薬だった。

 (日本では月経異常治療薬として薬局で市販もされたが、1972年に市販禁止になり、以後中用量ピルは処方薬になった)

 

・ダナゾールやGnRHアゴニストが登場したとたん、1980年代あたりからこれらが主流になった。

 

世界では21世紀になる前に、日本ではかなり遅れてつい最近、ピルが主流に戻った。

 ピルに少し遅れて登場していたプロゲスチン(黄体ホルモン剤)も、再認識されるようになった。

 ちなみに、世界では、ピルとプロゲスチン(黄体ホルモン剤)をまとめてプロゲスチン(プロゲステロン作用薬)と表現する場合も多い。

(日本はピルの登場は世界に40年も遅れたが、主流に返り咲くのは10年ほどで追いついた!!)。

 

この変化の大きな流れは、医学・医療の研究によるものと、先進国に共通の医療経済的なことと、世界中の内膜症協会たち(JEMAも)が1980年代から今もずーっと活躍し続けていることなどに、よるものです。

 

9月9日朝 (夜、修正加筆)

 

 

これから、このブログJEMAに、最新医療情報を書いていきます。

 

さて、この1週間に、なんと21万人ものユニークアクセス(訪問者数)がありました。

これは、通常の8ヶ月分にあたります!!

初発の8月30日(火)に瞬間沸騰したあと、翌31日(水)には10分の1以下に減り、以後、毎日が前日の2分の1以下に減って、9月3日(土)で通常の3倍です。

これくらいに減ってくると、物見遊山の人は減り、今まで当サイトを知らなかったり、知ってはいてもちゃんと読んでなかった当事者のみなさんが、時間をかけて読み始めている可能性があると考えています。

 

ただ、この膨大な訪問者の大半は、「子宮内膜症とは?」しか読んでいません。

ところが、申し訳ないことに、その中の第4章「子宮内膜症の医療、診断・治療」にかぎって、今では少々古い、あまり価値のない解説となっています。

 

医学・医療は日進月歩といいますが、日本の子宮内膜症医療は、20世紀の間は、世界とかけ離れた暗黒時代が続き、内膜症の女性たちはアンハッピーなままでした。

そこで、1994年に当協会(JEMA)が設立され、しだいに全方位的活動を展開していったことで、2002年秋から事態が動き出し、加速度的に医療変革が広がり、2008年春に、ようやく日本の子宮内膜症医療は世界の1970年代から80年代あたりに追いつきました。

 

ただ、このJEMAサイトを作ったのは1999年夏でして、その後何度か大幅改訂はしていますが、特別に年月を書いているところ以外、医療解説は主に2002年から2003年の記述のままになっています。

 

そこで、2003年以後の新しい医療解説は以下のページにあるので、ぜひ優先的に読んで下さい。

・アクション!内膜症にピル ・・・2002年12月末~2008年6月

医療Q&A巨大過去ログ ・・・2003年11月~2005年5月

(重要)診療ガイドライン ・・・2008年2月(世界の最新ガイドラインで、翻訳はJEMAにしかない)

 

とくに、3つめの「(重要)診療ガイドライン」は、内膜症の当事者さん全員と、全産婦人科医が読むべき内容です。

なお、2つめの医療Q&A巨大過去ログは2005年5月までなので、今ではそぐわない部分もありますが、ページ冒頭の淡いピンク背景の 【子宮内膜症医療の近年の重要な新ポイント】を先に頭に入れておいて、そぐわない部分を脳内補完しながら読んで下さいね。

 

 

ただし、ここまで書いてきたことは、薬物治療のことです。

手術治療においては、ハイレベル医師たちは昔から十分に世界レベルでしたし、近年は多くの病院で腹腔鏡手術が行われるようになっており(レベル差はものすごーく激しいですが)、状況的には世界標準以上と言えるかもしれません。

 

ということで、代表いぬいが自分で書いて自分でアップできるツールとして、有料メールマガジンと共に、このブログJEMAで、近年の最新医療情報を提供していきますね。

 

なお、最も詳細な医療解説、かつ濃密なQ&Aは、2005年1月から始めた寄付サポーターさん用の、登録制・非公開のQuilt掲示板に、これまた膨大にあります。

また、腸管・泌尿器・肺・へそほか様々な他臓器内膜症用掲示板もあり("他臓器"はJEMA用語ですが、学会では希発性や異所性などまだ決まってません)、メールで病状などを書いて送ってもらうことにしていますが、メールだけでは話がわからないことが非常に多いため、基本的に電話相談をしてもらっています。

 

では、当サイトをちゃんと読もうと考えているみなさん、必ずトップから入って、まずは「お知らせ」をチェックして下さいね!

 

9月3日夜 

 

 

 

みなさま、たいへんご無沙汰しています。

日本子宮内膜症協会(JEMA)代表の、いぬい益美です。

JEMAはこの9月1日から、18年度に入りました。

会員制をやめて寄付サポーター制にしてからでも、9年目に入ります。

 

1年数ヶ月ぶりに、JEMAブログを再開します(そんなに更新しなかったわけはいろいろありますが、おいおい書いていきましょう)。

 

今夏、ブログ再開のやりがいと責任を考えるようになっていましたが、55歳の心身には新たな重荷ではあるわけで、指がイマイチ動かなかったところ、最終的にポーンと背中を押してくれたのは、つい最近、ネット上で子宮内膜症が瞬間沸騰的に大きく話題になったことです。

話題初日の8月30日(火)、JEMAサイトが開かないため、プロバイダーに問い合わせたところ、たった半日で半年分ものページビュー(トータルアクセスともいう)を記録したそうで、プロバイダーの判断で、危険回避のために当サイトは一時的にアクセス不能措置となっていました。

 

まあ、突発的ではありましたが、せっかく大変多くの人が見に来て下さっているわけで、これを良い機会として、いよいよ、子宮内膜症医療の最新情報をお話していこうと決めました。

ちょうどこの8月に、日本産婦人科内視鏡学会と日本産科婦人科学会があり、毎度のことですが、取材、聴講、会場発言、ロビイ活動などを展開したので、全国の内膜症の女性やご家族ご友人にお話したいことが、急増しています!

 

そうそう、日本国内閣総理大臣が野田氏になり、ついに国のトップが"年下のオトコの子"になっちゃったことも、影響してますね~(苦笑)。

 

ということで、まずはブログ再開宣言をして、自分を引けない状況においやると!

では、自分と家族のために夕食を作るので、実際には、夜中、明け方、夕方、などのアップになると思います。

また、一度アップしてからも、何度か推敲・校正してしまうタチでして、数日後に読むと少々変わっていたりもするので、あしからず・・・(この部分も9月5日に入れてますぅ)

 

追記

JEMAの近況の第一は、もの凄い貧乏団体になっている、ということにつきます。

会員制時代の最大収入は年間約1400万円超もあったのに、サポーター制最新(2010年9月~2011年8月)は約135万円(9月2日のは計算間違いだったみたい)!

前年度比でも、-36%(こっちもですが、どのみち五十歩百歩で酷いです)!!

 

みなさまの、ご寄付、有料メールマガジン購読、『あなたを守る子宮内膜症の本』購入などで、JEMAの存続をサポートして戴けますよう、改めてお願い申し上げます。

 

2011年9月2日夜

 

 

 

 

このアーカイブについて

このページには、2011年9月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年1月です。

次のアーカイブは2011年10月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。