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性器外子宮内膜症(他臓器子宮内膜症)

子宮内膜症は、脾臓以外の、体内のほとんどどんな組織にも発見しうる。
症状はその疾患の発生部位によって異なる。 月経周期に伴う症状は、通常、少なくとも初期から現れ、子宮内膜症の診断につながる
唯一の手がかりとなるだろう。
治療も発生部位によって異なる。 完全摘出が可能ならば、選択すべき治療法だ;可能でないときは、長期治療が必要となる。
骨盤内の子宮内膜症〔J注:一般的な子宮内膜症〕と同じ治療原理が、性器外子宮内膜症〔J注:他臓器子宮内膜症〕に適用される
(「確定診断された子宮内膜症の治療」を参照)。


B 通常、虫垂子宮内膜症は虫垂切除で治療される。
膀胱子宮内膜症の手術治療は、通常、病変切除と膀胱壁の縫合が行われる。
尿管の病変はステント留置後に切除する。しかしながら、尿管筋層に病変が及ぶ場合や閉塞性が高い部位は、端々吻合や膀胱尿管新吻合が必要であろう。
信頼度3


子宮内膜症と悪性腫瘍

ガイドライングループは、婦人科がん・非婦人科がんを伴う子宮内膜症に関連する研究発表を検討した。
しかしながら、各学会・協会には論議があり、現在のところ、その種のがんリスクを抱える患者の最良の管理法について、
臨床医に周知すべきデータは存在しない。
ガイドライングループはこの領域について調査を続ける。



若年子宮内膜症

症状
B 骨盤痛を有する若年者に対して、単に現在の症状から子宮内膜症の存在を予測するのは困難である。 なぜなら、骨盤痛を訴える患者に腹腔鏡検査を行うと、子宮内膜症の有無に関わらず、同じような症状が起こっているからである。 信頼度3


慢性骨盤痛に対する腹腔鏡検査
B もし若年者が慢性骨盤痛を伴い、薬物治療(NSAIDs、OCPs〔J注:ピルとプロゲスチン〕)に抵抗性ならば〔J注:効果が低い〕、腹腔鏡検査を考慮すべきである。 なぜならこうした状況は、子宮内膜症ではとても一般的な症状だから。 信頼度3

J注:上記2項目の腹腔鏡検査は、当然だが見るだけでなく治療処置もする。見るだけなら診断的腹腔鏡と表現。〕



病気の範囲と外観
B rASRM分類の軽度から中等度の子宮内膜症は、若年者で最も一般的なステージである。 婦人科外科医は、子宮内膜症の成人と対比して、若年者のほうによく存在すると報告される、赤色、クリア〔J注:透明〕、白色の病変に、特別な注意を向けるべきである。 信頼度3

J注:10代~20代前半あたりの手術が重要だ。〕



閉塞性性器異常
B ミュラー管奇形〔J注:子宮奇形のこと〕などの月経流出障害は、若年者に早期の子宮内膜症の発生を引き起こす。 いったん奇形に対する外科的修復ができれば、子宮内膜症の回復が観察される。 信頼度3


● 病気とのつきあい方

補完的療法(Complementary therapies)
D 高周波経皮的神経電気刺激(TENS)、鍼灸、ビタミンB1、マグネシウムが、月経困難症(dysmenorrhoea)を軽減するという2つのシステマティック・レビューの示唆によるエビデンスがある。
しかし、このような療法が、子宮内膜症性月経困難症(endometriosis associated dysmenorrhoea)および過多月経に効果的かどうかわからない。
信頼度4
GPP 多くの子宮内膜症の女性は、栄養学的療法や、リフレクソロジー・漢方薬・ハーブ療法・ホメオパシーなどの補完的療法が、疼痛症状(pain symptoms)を改善するとレポートしている。
これらの療法には子宮内膜症でのRCTによるエビデンスはないが、通常の治療を同時に行うならば、もしその女性が全般的な疼痛管理法として(to her overall pain management)、および/またはQOLのために、あるいは仕事のために、有益だと感じるなら、これらの補完的療法を排除する必要はない。

J注:補完的療法単独は推奨しないということ。〕


患者によるサポートグループ
GPP 患者自助グループは(patient self-help groups)〔J注:直上の小項目名はpatient support groupsになっている。世界の協会たちもJEMAもサポートグループと自称する〕、非常に貴重なカウンセリング、サポートおよびアドバイスを提供することができる。
インターネットのwww.endometriosis.org/support.htmlには、世界中の患者自助グループのリストが掲載されている〔J注:JEMAも載ってますよ!〕。
自己管理プログラム〔J注:米スタンフォード大で開発されたセルフマネジメントプログラムというのがある〕は、慢性疾患と共に生きることを可能にするツールとして、女性にとって有益であることを実証するだろう。

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